2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655044
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇野 英満 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20168735)
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Keywords | 近赤外色素 / BODIPY / ピロロイソインドール / フィルター |
Research Abstract |
近赤外利用有機太陽電池作成に必要な近赤外光を吸収する高共役化合物を創出するために、具体的な以下の課題化合物群を設定し、奥島准教授、森助教と協力して、高共役化合物前駆体の合成をおこなった。高共役化合物前駆体の熱反応性、光反応における波長依存性、結晶構造と分解特性、置換基と酸化還元特性との関係を重点的に検討し、最終でペリ環状分解反応を用いて目的の高共役化合物の合成を達成した。得られた高共役化合物は、三菱化学および山田教授(奈良先端大)と協力して太陽電池としての性能、JSRおよび日本触媒と協力して近赤外特性を評価している。具体的には以下の3つの課題について検討した。 課題①: ベンゼン連結ビスBODIPYの共役拡張と光安定化:848nmに最長極大吸収をもつベンゼン連結BisBODIPYの合成にはすでに成功していた。しかしながらこの化合物は大気下光に不安定で、分解することが分かった。これを実用的なもとするために電子吸引性基の導入を検討した。電子吸引性基として、シアノ基、エステル基及びペンタフルオロフェニル基を導入することで安定化を図った。この化合物の中でシアノ基を導入したものについては、光照射下における大気安定性の獲得とともに、吸収極大波長は901nmに達し、吸収の裾野さえも可視光領域にない色素となった。このため、この色素は淡黄色でありながら近赤外領域に吸収を持つこれまでにない近赤外吸収色素であることが判明した。 課題②:アセナフトピロールを組み込んだBisBODIPYの合成と物性評価: アセナフトピロールを組み込んだBisBODIPYの合成をおこなった。この化合物は安定ではあるが、アセナフト融合の深色効果はベンゾ融合の場合と比べて小さいことが判明した。 課題③:ピロロインドール系色素合成の試み: ピロロイソインドール連結BODIPYとの比較を行うためピロロインドールの合成を開始した。
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Research Products
(9 results)