2012 Fiscal Year Research-status Report
ボウル型“η9配位子”を持つ低原子価錯体触媒の創出と窒素固定への応用
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23655048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
雨夜 徹 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20397615)
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Keywords | スマネン / ボウル型π共役系分子 / πボウル / ジルコニウム |
Research Abstract |
今年度は、新たにスマネニル配位子を有するチタノセン錯体の合成と昨年度合成したスマネニルジルコノセンジクロリド錯体の還元によるη9型錯体の合成と窒素の還元を検討した。 昨年度合成したジルコノセン錯体と同様の方法を用いて、スマネニル配位子を有するチタノセン錯体の合成に取り組んだ。スマネンのモノベンジルアニオンをシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリドで処理することにより錯形成を行うと、望む錯体は得られずスマネンのカップリング体が生成することがわかった。そこで、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロリドの代わりにシクロペンタジエニルチタニウムトリイソプロポキシドで捕捉することで、対応するチタノセン錯体が生成した。 窒素雰囲気下、スマネニル配位子を有するペンタメチルジルコノセンジクロリド錯体をトルエン中、過剰量のナトリウムアマルガムで処理したところ溶液の色が黒茶色へ変化した。生成物の同定を現在検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スマネニル配位子を有する種々のメタロセン錯体が合成できた。また、窒素の還元も検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、検討しているジルコノセン錯体の還元によるη9型錯体合成に取り組む。還元剤の選択が鍵になると思われるので幅広く種々の還元剤を試していく。スマネニル錯体を用いた窒素固定を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
配位子合成および錯体合成のための試薬、それらの実験に必要なガラス器具、消耗品類をはじめとする物品費に使用する。また、国内の学会等における成果発表のための参加登録費や旅費に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)