2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655051
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (40314380)
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Keywords | 金属錯体 / 金属クラスター |
Research Abstract |
異なる金属元素が直接結合して生じる異種混合金属クラスターは、同一種類の金属元素から構成されるクラスターとは異なる触媒反応活性や物性を示すことが期待され、異種金属クラスターの合成研究が数多く行われてきた。しかし、均一系で特徴ある機能を示す異種混合金属クラスターはほとんど報告されていない。一般に、異種混合金属クラスターは金属の解離を伴うフラグメンテーションを起こしやすい問題がある。また、異種金属が等価な配位環境下にないことがほとんどであり、実際に反応活性点となるのはどちらか一方の金属種のみでもう一方の金属はスペクテーターとして働く場合がほとんどである。本研究では、これらの問題を克服する新しい分子設計指針として「異種混合金属メタロセン型クラスター錯体」を新しく創出し、均一系異種金属クラスターの化学の発展に貢献することを目指して研究を遂行した。 シクロヘプタトリエニルおよびシクロヘプタトリエン3核錯体において、パラジウムと白金を1:2、2:1で組み込む反応の実現を目指して研究をおこなった。白金のみを用いた系において、3核錯体の形成機構を検討し、単核中間体が反応初期に定量的に生成することを既に見出している。この結果をもとにして、白金もしくはパラジウムを用いて単核中間体を発生させ、ここに別の金属を添加して混合金属Pd2PtおよびPdPt2サンドイッチ錯体を合成することに成功した。混合金属サンドイッチ錯体の同定は、31P NMRを用いておこなった。すなわち、生成した錯体にPPh3を添加してトリスホスフィン錯体に変換し、31P NMRのシグナルパターンを解析することによって、パラジウムと白金がどの組成で取り込まれているかを判別した。
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Research Products
(4 results)