2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655059
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朝倉 清高 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (60175164)
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Keywords | PEEM / 表面分析 / 光電子放出顕微鏡 / 電子透過窓 / 固液界面 / 大気圧光電子顕微鏡 / 液体光電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は,これまでまったく不可能であった溶液と接したナノクラスターおよび金属薄膜の化学状態分析やマッピングを実現する光電子スペクトル(XPS)や光電子放出顕微鏡(PEEM)を開発するために、その鍵となる光電子透過窓作製に挑戦することである. このために,以下の5つの点をおこなうことを計画した.1.窓中を透過する電子の軌道計算.2.電子透過窓の試作とその性能チェック.3.既存のEXPEEM装置の改良.4. 液体測定用セルの作製,5.電極反応追跡,最終年度においては,実際に溶液セルを作製し,その性能をしらべ,PEEMシステムに組みこむことおよびその手法の適用可能性について検討した.当初,想像以上に漏れが観測され,実質的に使用はできないと考えられたが,地道に漏れを取り除くことで,10-6 Torr程度のもれになるところまで改善した.窓材に存在する小さなピンホールがあり,それがないものを選別することで,真空度の向上を達成した.昨年度の成果である電子線透過窓をもちいて,大気・溶液観測セルを開発するとともに,当初計画していたPEEM像取得に必要なセルの開発に成功した.また,既存のEXPEEM装置の改造を行った.電磁場重畳型し,絶縁体サンプルにも測定ができるようにするとともに,アパーチャーを正確に入れられるようにするようにした.大気・溶液セルに大気をつめ,光電子の取得を試みた.大気の漏れはほとんど観測されない.紫外光を照射すると,窓部分からの光電子は周りの部分(縁の部分)比べて遙かに少量しかでない.さらに金を背面に蒸着した部分からは強い光電子を観測することができた.これは大気圧下での光電子の取得を意味している. 現在,溶液存在下でのEXPEEM像の測定および電極反応追跡という難題に挑戦している.
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