2011 Fiscal Year Research-status Report
溶液中の温度勾配生成を利用する液液光導波路の構築とその化学分析への応用
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23655061
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
角田 欣一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30175468)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 液液光導波路 / 温度勾配 / 反応熱 / 長光路セル / キャピラリー |
Research Abstract |
温度勾配生成による以下の二つの形式の液液光導波路(Liquid-core/Liquid-cladding Waveguide)の構築とその分析化学的応用を目的に研究を行っている。タイプ1)ステンレスキャピラリー管などに溶液を送液して層流をつくり、外部から加熱することにより、流体中に管中心部から周辺への温度勾配を形成させて液液光導波路を構築する。(目的:1.セルや溶媒の屈折率が問題とならない長光路セルへの応用、2.化学チップにおける新しい光操作法の開拓)タイプ2)シースフローの中心流(コア)と周辺流(クラッド)の界面で、たとえば、酸塩基中和反応などの発熱反応を起こさせ、その熱により温度勾配を形成させ液液光導波路を構築する。(目的:1. 界面反応における微小発熱の検出とそれを用いた新たな化学計測法の提案)1)タイプ1の液液光導波路:ガスクロマトグラフ用のカラムオーブンをステンレス管の加熱に用いる実験装置の基本的な設計と製作を行った。しかし、故障などもあり、期待通り動かず、現在までに評価に耐えうる測定結果の収集には至っていない。現在、管用マントルヒーターに加熱方式を変えて、早急に実験装置を整備してデータ収集を行う予定である。しかし、当初計画を変更する必要性は今のところないと考えている。2)タイプ2の液液光導波路:現在、これまでの液液光導波路実験装置を用いて予備的な実験を行っている。しかし、コア溶液とクラッド溶液の屈折率差を調整するのが困難、出口での光強度測定が迷光の影響を受ける、などの問題により、実験は難航している。迷光を防ぐ方策などを強化し、引き続き実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記タイプ1)の液液光導波路に関しては、使用予定であった加熱装置の故障などにより、製作に遅れが生じている。当初計画では23年度で基本的なデータの取得まで行う予定であったが、現在はその段階に至っていない。また、タイプ2)に関しては、予備的な実験を行っている段階だが、予期しなかった技術的な問題もあり、進捗に遅れが生じている。このように、総じて研究に遅れが生じているが、現段階で大きな目的や計画の変更が必要とは考えていないため、本評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度においては、加熱装置の故障などにより研究に遅れが生じ、23年度に購入予定であった測定装置用部品の一部の取得を24年度に行う計画に変更したために、24年度使用する予定の研究費が生じた。 しかしながら、現段階では、全体的には、大きな計画の変更が必要はないと判断しており、当初の計画に従って、特に、タイプ1)の液液光導波路の構築に力を入れて研究を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度使用予定であった研究費(繰り越し分)は、主にタイプ1)の光導波路測定装置の完成および改良に使用する。特に測定系の整備に使用する。さらに次年度(当初計画)の研究費は、特に、タイプ2)の導波路の改良およびタイプ1)、2)を用いる実験を遂行するための消耗品を中心とする物品費に用いる。
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