2013 Fiscal Year Annual Research Report
単分散マイクロバブルを利用した連続分離システムの構築
Project/Area Number |
23655063
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 実 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80206622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真澄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授(Associate Professor) (30546784)
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Keywords | マイクロフルイディクス / マイクロ流体システム / マイクロバブル / 気液分散系 / 分離精製プロセス |
Research Abstract |
本プロジェクトの最終年度に当たる平成25年度は,これまでのマイクロバブルを利用した連続的分離プロセスの開発を継続するとともに,微小液滴を利用した新規連続的分離手法の開発と,微小液滴分散系における物質移動速度の定量的評価を行った。特に,これまでの流路システムでは,界面への物質吸着に必要となる滞留時間を変化させるために,それぞれの滞留時間に応じた複数種の流路構造が必要であったが,単一の流路構造であっても滞留時間を10ミリ秒~数秒程度と大幅に変更できる,可変型マイクロ流路構造の作製を行い,その有用性を実証することができた。分離対象としては主にモデルとして色素分子を用い,連続的な分離を試みたところ,気泡分散系における気液界面を利用した分離・濃縮が可能であることが確認された。しかし一方で,気液界面を利用した分離では,界面に吸着できるターゲット分子の量に限界があるため,液滴を用いた連続分離系の構築も試みた。連続相として水相,分散相として油(1-オクタノール等)を用い,水相から油相へのターゲット分子の抽出を行ったところ,水滴の選択的濃縮が可能であり,また高効率なターゲット分子の抽出が可能であることが確認された。また,抽出時間の正確な制御が可能であることを利用して,抽出プロセスの評価を行ったところ,通常の液液抽出系と比較して境膜の厚みが劇的に薄くなることなどが確認された。現在,多段階連続的抽出プロセスの開発についても取り組みを継続しており,気泡あるいは液滴を利用したターゲット分子の新規分離生成プロセスとしての応用を行っている。また一方で,本研究において提案したシステムは,液液抽出あるいは気液吸着プロセスを詳細に解析するためのツールとしても有用であると考えられる。
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