2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655070
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
米蔵 誠哲 琉球大学, 理学部, 准教授 (60291100)
|
Keywords | 石けん膜 / 液滴 / 濡れ広がり / ブラウンラチェット |
Research Abstract |
石けん膜がそのユニークな構造・物性に基づく優れた流体デバイス機能を持つことを実証する萌芽研究である。当初の計画では石けん膜内に分散した分子の輸送を電場・表面張力等で制御する方法を提案していたが、現実的な測定時間崩壊しない石けん膜の内部では分子を均一に分散・輸送制御することが困難であることが判明した。しかし分析対象を液滴とすれば石けん膜上で輸送制御可能であることを見いだし、研究の方向を石けん膜上の液滴の界面物性と輸送制御へ修正することにした。1.石けん膜上の液滴の濡れ広がり現象:石けん膜上の液滴は固体表面の液滴と同様な冪乗則で濡れ広がり(液滴半径が時間の約0.1乗で増加する)、疎水性の溶質が存在すると石けん膜に浸透拡散することを見いだした。液滴は誘電泳動とは独立に濡れ広がることが分かった。濡れ広がりを石けん膜の表面張力によって制御する可能性が示唆された。石けん膜のようなソフトな界面において浸透せずに液滴が濡れ広がる現象を初めて明らかにした。2.石けん膜上の液滴の誘電泳動・ラチェット輸送:荷電色素を含む液滴が不均一電場により誘電泳動できることを確認した。誘電泳動や表面張力で駆動する液滴のロッキングラチェット輸送の可能性を検討した。3.界面活性剤で被覆された液面上の液滴の界面化学:石けん膜と比較するため界面活性剤で被覆された液面上における液滴の濡れ広がり、誘電泳動等も検討した。高い粘性の液体では上述した石けん膜と同様な結果が得られた。
|