2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655088
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柳 日馨 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80210821)
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Keywords | ギ酸 / 硫酸 / NHCボラン / 一酸化炭素 / カルボン酸 / 脱カルボニル化 / ブレンステッド酸 |
Research Abstract |
ブレンステッド酸共存系での一酸化炭素発生と膜分離を行なった。PTFE管内でギ酸と硫酸の反応を行い、管内で一酸化炭素が混合酸より発生する事を確認した。また管内からPTFE膜外への一酸化炭素の効率的な拡散を確認した。酸はPTFE管内で残留しており、一酸化炭素ガスと酸液の膜分離を達成した。この膜分離を利用し外管をステンレススチール製のチューブとする二層管を作製し外管内での遷移金属触媒によるカルボニル化とラジカル種によるカルボニル化を共に検討し、アミドやエステルの合成が達成出来ることを明らかとした。さらに液相の濃硫酸に代えて固層系での検討を行なった。シリカゲル担持型のスルホン酸を用いギ酸との反応を検討した結果、一酸化炭素の発生を確認することが出来た。 含窒素ヘテロ環カルベン(NHC)を配位子とする三水素化ホウ素(NHCボラン)と一酸化炭素が共存する系での反応の検討を行なった。一酸化炭素とヨードアルカンの反応を光照射下で検討したところ、カルボニル化とつづく水素化によるアルデヒド生成を経て即座にヒドリド還元を受け、一炭素増炭素型のアルコールが良好な収率で生成した。本研究によりNHCボランと一酸化炭素の組み合せが効率的な一炭素増炭反応系の構築に有効であることを初めて明らかにした。 脂肪族および芳香族カルボン酸からの触媒的な脱カルボニル化反応を実施し、これらの酸の共存系で一酸化炭素を発生させた。触媒としてIr、Rh、Feの有効性と添加物としてヨウ化カリウムの有効性を共に明らかとした。密閉型反応容器を用い、生成させた一酸化炭素を即座にカルボニル化に用いる検討を行い、その方法論的な有効性を確認した。
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Research Products
(9 results)