2012 Fiscal Year Annual Research Report
トランジスタ特性を持つ可溶性グラフェン類の革新的合成法創成への挑戦
Project/Area Number |
23655090
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
垣内 史敏 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70252591)
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Keywords | C-H活性化 / 有機トランジスタ / アリール化 / グラフェン類 / オリゴアセン類 / アリールボロン酸エステル / 芳香族ケトン / 遷移金属錯体触媒 |
Research Abstract |
前年度の検討により、アリール化後に三量化を行うのは立体的に不利となるため目的の反応が進行しないことが明らかとなった。そこで、アセチル基をエチニル基に変換し、その後分子内環化を行うことで、ベンゼン環の連結させる方法を検討した。様々なアセトフェノン類とアリールジボロン酸エステルとのカップリングによりターアリールを合成した。また、チオフェン2,5-ジボロン酸エステルを用いた場合には、チオフェン環をもつターアリール型の化合物が得られた。これら化合物中のアセチル基の変換、分子内環化反応を行うことにより、5つの芳香環がジグザグ状に縮合したジベンゾアントラセン類やピセン類の合成を簡便に行う手法を開発できた。 基質としてアントラキノンおよびその誘導体を用いて、ケトンオルト位の4カ所にアリール基の導入を行った。炭素-水素結合のアリール化ならびに炭素-酸素結合のアリール化とも計画通りに進行した。これらの方法で合成したテトラアリールアントラキノンのカルボニル基のメチル化、それに続く脱水を経てメチリデンへと変換したのち、脱水素型酸化を行うことにより芳香環を連結したテトラベンゾ[a,d,j,m]コロネンを合成することができた。 また、炭素-水素結合と炭素-酸素結合の反応性の違いを利用することにより、異なるアリール基の導入も可能であった。この方法を用いれば、非対称型のテトラベンゾ[a,d,j,m]コロネンを効率的に合成することが可能であった。 合成した化合物のOFET特性の測定を行った。ジベンゾアントラセン類とピセン類について、櫛形金電極上にスピンコート法により製膜した素子を用いて、OFET特性の測定を行った。トリメチルシリル基をもつジベンゾアントラセンが中程度のOFET特性を示した。
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Research Products
(15 results)