2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655102
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
杉原 伸治 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70377472)
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Keywords | リビングラジカル重合 / リビングカチオン重合 / ビニルエーテル / RAFT / 極性変換 |
Research Abstract |
ビニルエーテルは電子供与性の置換基を有するモノマーであることから,カチオン重合が進行しラジカル重合は進行しにくい。通常,このビニルエーテル類のカチオン重合を行う場合,低温下,無水状態で反応させる必要がある。また,水酸基を有するモノマーの場合,停止反応が優先的に進行してしまうため,カチオン重合は進行ない。しかし,水酸基を有するビニルエーテルは,その水素結合により,ビニル基の電子密度が変化し,ラジカル重合の進行が期待できる。そこで,下記の2点を検討した。まず水酸基を有するビニルエーテルを用い,直接ラジカル重合条件を詳細に検討し,RAFT重合をはじめとする精密(リビング)ラジカル重合のための基礎的な検討を行った。また,RAFT重合基を有するモノマーからのリビングカチオン重合およびRAFT重合も同様に検討した。 前者に関しては,重合系にプロトンが存在しない場合はビニル重合が進行した。 一方,プロトンが存在する場合は,ポリアセタールが選択的に得られた。例えば,カルボキシル基含有アゾ開始剤を用いた場合,ポリアセタールが得らた。また,アゾビスイソブチロニトリルを用い,水素結合を変化させるジメチルホルムアミドを加えバルク重合すると,その添加量によって分子量を制御することができた。また重合条件の検討を行った結果,開始剤としてプロトンを出さない油溶性アゾ開始剤であればいずれも重合が進行した。得られたポリマーを後保護し,NMRおよびMALDI-TOF-MSスペクトルを測定したところ,通常の連鎖重合が進行していることがわかり,新しくカチオン重合性モノマーのラジカル重合に成功した。
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Research Products
(7 results)