2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ認識ポケットを備えた単結晶ナノチャネルの機能
Project/Area Number |
23655117
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 光彦 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60187333)
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Keywords | 多孔性結晶 / 自己集合 / 超分子 / 大環状金属錯体 / ホスト・ゲスト化学 / X線構造解析 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究は、分子認識能を有する機能性分子の自己集合化による多孔性結晶の設計法および高効率合成法を確立し、形成された超分子空間の機能化を図ることを目的とした。 申請者は、環状N6配位子のPd三核錯体が溶液中で4種の構造・立体異性体を同時形成し、自己組織化により約2 nm径の単結晶ナノチャネル構造を形成することを見出した。チャネル内の単位表面構造には、10種類の疎水ポケット(5種類のエナンチオマー対)、Pd 錯体構造に由来する静電相互作用部位、水分子配列による親水部が一義的に配置されている。ベンゼン環を捕捉する疎水ポケット、直線分子を吸着するクレバス部位、Pd-ClやPd-NHによる静電相互作用部位、水分子が配列した親水部における分子配列・配向制御に関する情報を得ることができた。ゲスト包接実験は、基質分子の溶液(水、有機溶媒)に単結晶を一定時間浸すのみの簡単な操作により可能である。多くの場合は、単結晶X線構造解析により、捕捉された分子の位置・配向、親和性を定量的に解析できた。ディスオーダーのために確認ができないチャネル内ゲスト分子は、digestionによるNMR測定により定量解析できた。これらの方法により、置換ベンゼン誘導体、多環芳香族化合物、金属錯体触媒、生体関連分子(アミノ酸・核酸・糖)が位置選択的に結合することが明らかになり、吸着マッピングを作成することができた。様々ななタイプのゲスト分子の吸着をかなりの精度で予想することが可能になった。また、温度制御下のX線構造解析により、吸着平衡に達するまでの過程をスナップショットとして得ることにも成功している。
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Research Products
(6 results)