2013 Fiscal Year Annual Research Report
ホルマリンからオリゴ糖へ:人工ホスト分子を活用した新規糖合成法の創成
Project/Area Number |
23655124
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
阿部 肇 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (10324055)
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Keywords | エチニルピリジン / 大環状化合物 / ピリジン / フェノール / 糖 / ホスト・ゲスト化学 / 薗頭反応 |
Research Abstract |
1 人工大環状ホスト分子の設計の改良/前年度までに設計・合成した人工ホスト分子のうち、ピリジン/フェノール交互型大環状分子について、取り扱いに困難をきたすほど自己会合が強いという問題点があったため、基本的な骨格はそのままに、側鎖に tert-ブチル基を導入して立体障害を持たせ、自己会合を阻害することとした。一方、ピリジン/フェノール交互型大環状分子とβ-グルコースとの会合の強さについて、分子計算ソフトウェア Gaussian を用いた解析を行い、真空中ではあるが 10 の 70乗を超える大きな会合定数が算出された。 2 人工大環状ホスト分子の合成/上記のように分子設計を改良する方針に従い、実際の分子の合成を行った。薗頭反応を利用し、新しい人工大環状ホスト分子を得ることができた。フェノール環をフリーな状態で扱うとベンゾフランを発生する副反応を誘発したため、メトキシメチル (MOM) 基による保護を施し、副反応を回避した。脱保護後、得られた人工大環状ホスト分子では、前年度に合成した立体障害が小さい大環状分子と比べ、1H NMR のブロードニングがおさまっており、ある程度自己会合を抑えられたことが分かった。 3 人工大環状ホスト分子を添加した場合の選択性への影響の調査/改良された分子について、ホスト分子としての分子認識効果を、添加実験や滴定実験を通して検討した。CD、NMR を用いて解析したところ、水素結合により、大環状構造の内部に糖ゲスト分子が取り込まれ、その結果高次構造がキラルに歪むことがうかがえた。
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Research Products
(7 results)