2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655145
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 隆史 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80231760)
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Keywords | バイオベースポリマー / 生体材料 / 生分解性・生体吸収性 / 応用微生物 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
野生型の菌体内で、ポリ乳酸(poly(lactic acid), PLA)が合成されていることを、われわれは見出している。このPLAの微生物合成により得られるPLAの分子量は1,000程度のオリゴマーであることから、本研究課題では、より高分子量の、または高産生量のPLAが得られる培養条件を見出し、温和な条件下で得られるPLAの新たな合成方法を確立することを目的とした。3年間の研究期間内に、以下の2つの研究項目について明らかにすることを目標とした。 (1) PLAが産生される野生株の Ralstonia eutrophaの培養条件を検討する。 (2) 高分子量のPLA、もしくは高産生量のPLAを得るための至適培養条件を見出す。 初年度である平成23年度では、一緒に回収される2種類のポリエステルのPHBとPLAを個別に単離精製する手法を確立した。2年目の平成24年度には、PLAを構成する乳酸のキラリティーが、培養する微生物の種類に依存して変化することを見出した。 3年目である平成25年度では、高分子量のPLA、もしくは高産生量のPLAを得るための至適培養条件の検討を行ってきた。培地の調製方法や組成、そして培養時のエアーレションの回転数などの条件などを変えて培養を行い、生合成されるPLAの産生量や分子量の変化を追った。しかしながら、当初から得られている結果と本質的には変わらないことが判った。したがって、現在、これまでの計画とは異なる別の観点で実験を試みている。その観点が正しかった場合に、非常に新規性の高い実験結果となることから、その内容をここで報告することができないが、これまで重要視してこなかった微生物の生理現象に深くかかわっているのではないかという仮説に基づいている。そのため、平成25年度は、あえて学会発表やその他の外部発表を控え、その仮説に基づいた培養条件の探索を現在も継続中である。
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