2013 Fiscal Year Annual Research Report
環境低負荷型バイオマスセルロースの分解・高機能化技術の開発
Project/Area Number |
23655147
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
大浦 健 名城大学, 農学部, 准教授 (60315851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 眞人 静岡県立大学, 付置研究所, その他 (40113328)
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Keywords | メカノケミカル反応 / セルロース / 立体規則性 |
Research Abstract |
本年度はメカノケミカル反応の開始剤となるセルロースに嵩高い置換基を導入することで立体規則性重合が可能となるか検討した。 セルロースに導入する置換基としてベンジル基を選択した。ベンジルセルロースの合成は既報に従い行った。このときベンジル化における反応時間を変化させ、ベンジル基の置換度(DS)が異なる3種のベンジルセルロースを合成した。そこで、3種のベンジルセルロースを用いてHEMAのメカノケミカル反応を実施した。セルロース-b-PHEMAの重合体は3時間重合でIsotacticの割合が増加するが、6時間重合で減少した。セルロースの代わりにアセチルセルロースを用いてHEMAの重合を行ったところ、1H-NMRではPHEMAに由来するピークが確認されなかったことから、アセチルセルロースでは分子鎖の開裂によるラジカルの生成が乏しかったと思われる。次に、DSが1未満(DS<1)のベンジルセルロースでは3時間ならびに6時間重合を行った生成物と、DSが1以上(DS>1)では3時間重合を行った生成物においてはSyndiotacticの割合が増加した。また、Isotacticの割合が重合時間を増加させることにより減少することから、ベンジルセルロースを用いた重合ではSyndiotacticに優先的に配列される可能性があると考えられる。また、DS>1の6時間重合を行った生成物においてIsotacticの割合が急激に増加したのは溶媒を用いない重合であることから十分に反応が行われなかった可能性があると考えられる。以上のことからベンジルセルロースはSyndiotacticの立体規則性を持った重合体の合成に効果があることが示唆された。
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