2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23655152
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 守俊 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (00323501)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞 / 生体 / 可視化 / プローブ / 生物発光 / ルシフェラーゼ / エネルギー移動 / 蛍光 |
Research Abstract |
ガン研究や幹細胞研究,再生医学研究の急速な進展を受けて,ガン細胞や幹細胞,幹細胞から分化した細胞などの様々な細胞種が生体の中でどのよう振る舞うのか,すなわち生体における各細胞種の時空間動態の解析に多くの研究者の興味が集まっている.本研究では,生体内での細胞動態を可視化する新しい分子プローブを開発する.申請者が本研究で目指すのは,生体内での細胞の場所についての空間情報を与えたり,細胞分化や特定の遺伝子発現が起こってからどの程度時間が経過したのかについて情報を与える分子プローブの設計とその開発である.さらにこの分子プローブは,蛍光プローブが抱える自家蛍光のような問題に無縁であり,生体深部での細胞追跡(cell tracking)を可能にすることが求められる.本研究では,この新しい分子プローブを設計・開発し,これを用いて,細胞の分化が生体のどこで起こっているのか,分化した細胞はどのように生体内で振る舞うのか,あるいは特定の遺伝子発現が生体内のどこで起こっているのか,その遺伝子発現を起こした細胞は生体内でどのような挙動を示すのか等,新しい細胞追跡を実現する. 平成23年度はルシフェラーゼにアミノ酸変異を導入し,その輝度を大幅に向上させることを目的に研究を遂行した.まずルシフェラーゼの活性中心近傍を狙った部位特異的なセミランダム変異導入,およびルシフェラーゼ全体にアミノ酸置換を施すためのランダム変異導入を行う.変異を施したルシフェラーゼのcDNAを大腸菌に導入し,寒天プレート上でコロニーを形成させる.多数のコロニーの発光を同時にCCDカメラで観察し,高輝度のルシフェラーゼを発現するコロニーを単離する.この変異導入とコロニースクリーングのサイクルを繰り返してルシフェラーゼを飛躍的に分子進化させ,高輝度変異体を効率良く取得しつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度はルシフェラーゼの輝度を大幅に向上させることを目的に研究を遂行した.ルシフェラーゼの活性中心近傍を狙った部位特異的なアミノ酸変異導入と高輝度変異体のクリーングの結果,現在までに高輝度変異体を効率良く取得しつつある.従って,おおむね順調に研究は伸展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までに開発してきた変異体に対して.更にアミノ酸変異を導入する.特に,ルシフェラーゼの活性中心近傍を狙った部位特異的なセミランダム変異導入,およびルシフェラーゼ全体にアミノ酸置換を施すためのランダム変異導入を行う.この変異導入とコロニースクリーングのサイクルを繰り返してルシフェラーゼを飛躍的に分子進化させ,高輝度変異体を取得する.開発したルシフェラーゼの高輝度変異体を用いて生物発光プローブを開発し,生体での細胞イメージングに応用する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費 1,300,000円旅費 300,000円間接経費 450,000円
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