2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655155
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
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Keywords | 遺伝子診断 / 一分子計測(SMD) / DNA / RNA / 蛍光 / blinking |
Research Abstract |
相補的なDNA、RNA存在下で蛍光強度が増大するモレキュラービーコンは、遺伝子診断やライブセルイメージングなど、幅広く応用されている。1分子レベルでの高感度モニターも可能であるが、蛍光強度測定に基づくため、蛍光分子の光退色等の様々な影響を受け十分な精度が得られない問題点が残されている。平成25年度は、蛍光分子の励起三重項状態と、酸素や種々の添加物との反応速度に注目し、速度定数の違いに基づきモレキュラービーコンを1分子レベルでモニターする、高感度かつ高精度な新手法の開発を目指した。蛍光分子としてRhodamine 6Gを用いたところ、1分子レベル蛍光観測において三重光励起状態生成に伴うblinkingが観測された。BlinkingはRhodamine 6Gが溶媒にさらされているほど、その消えている時間(= off time)が短くなることがわかった。そこで、モレキュラービーコンタイププローブのヘアピン部位にRhodamine 6Gを導入することにより、ターゲット非存在下ではRhodamine 6Gが溶媒にさらされ、off timeが短くなるのに対し。ターゲット存在下では二本鎖中に埋もれることにより、off timeが長くなり、off timeの測定により、一分子レベルでモレキュラービーコンタイププローブの機能を観測することに成功した。一方、分子中に負電荷を帯びたスルホン酸基を二つ有するATTO 488を用いると、このような構造依存性は見られず、蛍光分子の疎水性/親水性の調節により、より感度の高い蛍光分子が存在しうることが示された。
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Research Products
(6 results)