2012 Fiscal Year Research-status Report
ピロール環の回転を基軸とするNー混乱ポルフィリノイドのバイオ展開
Project/Area Number |
23655159
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井川 善也 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70281087)
|
Keywords | ポルフィリン / N-混乱ポルフィリン / バイオチオール / N-フューズポルフィリン / 蛍光センシング / 四重鎖DNA |
Research Abstract |
ポルフィリン異性体であるN-混乱ポルフィリン(NCP)は「混乱ピロール環の反転と隣接ピロール環との縮合」により生成するN-フューズポルフィリン(NFP)と相互に変換される。これらポルフィリン類縁体は、通常のポルフィリンとは異なる特性を有し、その生体化学への応用は興味を持たれてきた。本研究では申請者らが開発したNCP/NFP水溶性誘導体を駆使し、ピロール環の回転によるNCP/NFPの構造変換を武器に、生体関連化学の重要な課題である i)特定分子種のバイオセンシング、ii) NCPをプローブとした生体分子への連結、iii)四重鎖DNAの構造制御、の3課題を並行して遂行する。H24年度の実績は下記の通りである。 [課題1] 水溶性NFPを利用し、NCPの蛍光、あるいはNIR吸収の変化を利用した生体求核種の水系でのバイオセンシングをH23年度に開発した。H24年度は継続してグルタチオンやホモシステインなどの生体チオールの選択的検出とその定量性にを検討し、弱酸性条件下ではグルタチオンの選択的検出が可能である事を見いだした。 [課題2]H23年度から継続し課題1の成果をもとに、システインを介したペプチドのNCPによるラベル化を検討したところ、C-S結合の強度が弱く、連結体が徐々に分解する問題を見いだした。 [課題3] 水溶性NFPを含む各種ポルフィリン類縁体とテロメア四重鎖DNAと相互作用を検討した。その結果、拡張ポルフィリンの一つへキサフィリン水溶性誘導体がテロメア四重鎖の構造を顕著に安定化する事を見いだした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目についても3つの課題いずれも、解決すべき問題の同定を含みながらおおよそ当初目的に向かっての計画通り遂行できた。課題1では生体チオール間の選択的検出の糸口を見いだし、課題2では含チオールペプチドとの反応における生成物の安定性の課題を確認し、課題3では、ヘキサフィrん似よるテロメア四重鎖DNAの顕著な構造安定化、をそれぞれ達成できたたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年目(最終年度)も、当初計画に従って遂行する予定である。課題1では、グルタチオンやホモシステインなどの生体チオールのNFP/NCPシステムによる選択的検出の定量的議論を含む確立。課題2では、より強い結合(例えばチロシンをリンカーとする)タンパク質のNCPによるラベル化。課題3では、四重鎖DNA構造構造の段階制御と、さらにそれに基づくテロメラーゼ活性の制御を、それぞれ検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(3 results)