2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655164
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
渡部 暁 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 上級研究員 (80300945)
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Keywords | DNA / 複製 / 再構成 |
Research Abstract |
本研究は特定の外部因子(低分子化合物またはペプチド)に応答して、膨大な遺伝子ライブラリーからその外部因子に親和性の高い有用抗体分子をコードする遺伝子DNAのみが選択的かつ自発的に自己複製することで結果として有用抗体分子のスクリーニングが自動的に行われる系の構築を目指した。 自身をコードする遺伝子のみ複製開始する酵素(複製開始酵素RepA)が知られており、この天然の仕組みをそっくり試験管内で再現し、かつ、開始された複製反応を継続して目的の遺伝子を増幅し、その上で外部因子に対応する複製開始酵素のみを活性化する仕組みを整える予定で検討を進めた。 複製開始酵素RepAに関連する複製分子複合体(レプリソーム)及び複製された娘プラスミドを分離する仕組みは多くのタンパク質が一体となって働くため、その再構成のためには多種類(20種以上)のタンパク質の高純度・高濃度品が必要なため、種々の発現系を構築し検討した。多くのタンパク質は高純度品が得られた反面、中には物性が極端に悪く種々の検討にもかかわらずどうしても純度の低いものや収量の低いものしか得られなかった。そのため完全な再構成系による実用性の検討は今後の課題となった。 他方、天然の機能の一部をより単純な酵素で代替するという発想の転換により、機能性タンパク質を変性することない温度(37℃以下)で複製反応を継続する方法について予備的な検討を行った。本研究で得られた知見により、選択的な自己複製系による有用抗体分子などのスクリーニングの実用化に向けた検討が加速することであろう。
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Research Products
(2 results)