2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村越 敬 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40241301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 諭 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (90400639)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / 金属ナノダイマー / カイラリティ / 光化学反応 / 欠陥 |
Research Abstract |
金属の表面プラズモン増強電場を光反応場と利用し、単層カーボンナノチューブ(SWNT)に所望の格子欠陥や異種元素置換構造、エッジ構造、ナノグラフェンを作り出すナノ加工技術を確立する。上記目的を達成するために、単一のSWNTと表面増強ラマン散乱活性な金属ナノダイマー構造を組み合わせ、局所光化学反応によるナノ加工に関する検証を行った。前年度は、電気化学電位によりSWNTへの局所的な光欠陥導入量の制御が可能であることを示した。今年度は、ナノ可能の制御性について基礎的知見を得るため、SWNTのカイラリティによる光欠陥導入量依存性について詳細な評価を行った。SWNTはそのカイラリティにより光応答特性が異なることが知られている。カイラル角が大きくなると、電子-フォノン相互作用が弱くなることで励起電子が長寿命化し、その結果、光化学反応活性が増加することが予期される。実験系の試料は、金属ナノダイマーアレイ上にSWNT分散液を滴下・乾燥により作製した。レーザー光照射によりSWNTを担持したナノダイマー間に局所増強電場が誘起し、SWNTへの局所的光欠陥導入が可能となる。異なるカイラリティのSWNTに対して実験を行った結果、カイラリティにより光誘起欠陥の導入速度が異なり、上記で予期した通り、カイラル角が大きいほどその速度が速くなることが示された。この結果は、SWNTのカイラリティによる異なる光化学反応活性を利用し、SWNTの局所光加工速度だけでなく、自在加工の制御の可能性を強く示唆するものである。
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