2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化有機無機量子閉じ込め構造を利用した共鳴励起子状態の実現
Project/Area Number |
23655168
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅井 圭介 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60231859)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越水 正典 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40374962)
|
Keywords | ワニエ励起子 / 共鳴 / 有機無機ハイブリッド / 量子閉じ込め構造 / 自己組織化 |
Research Abstract |
自己組織的に有機無機層状構造を形成する有機無機ペロブスカイト型化合物を利用し、無機層と有機層の励起状態の共鳴を実現した。今年度には、有機層にベンジル基を導入し、その三重項励起状態と、無機層のワニエ励起子との共鳴を実現した。 無機層の組成を通じてワニエ励起子準位を制御し、蛍光特性を調査した。その結果、ワニエ励起子エネルギーの変化に応じて、無機層から有機層へのエネルギー移動挙動が変化した。このことは、ワニエ励起子準位の制御範囲内に、有機層との共鳴領域が存在することを意味する。エネルギー移動特性の結果から、共鳴の実現する組成を判断し、その組成の試料の蛍光特性を詳細に調査した。その結果、共鳴において、独特の発光スペクトルが観測された。 今回の研究では、無機層の組成を通じてワニエ励起子準位を制御しているため、組成ゆらぎに対応する不均一広がりは不可避である。そのため、共鳴付近でのスペクトルが、この組成揺らぎによる不均一広がりに起因すると過程し、ワニエ励起子発光と、有機層からのりん光との重ね合わせにより、発光スペクトルが記述されないかと解析したところ、単純な足し合わせでは記述されないことが明らかとなった。このことは、共鳴における蛍光は、共鳴による緩和過程の変化を反映したものであることが明らかとなった。
|