2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655175
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
夛田 博一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40216974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川椙 義高 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40590964)
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Keywords | スピントロニクス / 単一分子 / 磁気抵抗効果 |
Research Abstract |
強磁性電極を用いた単分子接合のスピン輸送特性は、分子エレクトロニクスの可能性を広げる重要な研究課題である。単分子接合の磁気抵抗効果(MR)は、強磁性金属の状態密度と分子軌道の混成によって生じるスピン偏極した電子状態により決まるため、通常のトンネル接合とは異なる特性が期待される。我々はメカニカルブレークジャンクション法を用い、金電極の上に薄くニッケルを電気メッキすることで、強磁性電極を作製した。極博のニッケル膜を用いるのは、磁歪の影響をできるだけ除くためである。電極にベンゼンジチオールおよびヘキサンジチオール分子を含む溶液を滴下し、ブレークジャンクション法により、Ni-分子-Ni 接合が形成されていることを確認した上で、架橋構造を保持し、磁場を印加して磁気抵抗効果を調べた。Ni/ベンゼンジチオール(BDT)/Niおよび、Ni/ヘキサンジチオール/Ni接合では、数十%におよぶ正のMRを発現することを見いだした。これらの結果から、電極と分子の間の結合部であるチオール基とNi電極の接合部分の電子状態がMR特性を決めるうえで重要な役割を果たしていると考えられる。さらに、結合部の役割を明らかにするため、アミノ基(-NH2)を両末端に持つパラフェニレンジアミンを利用し、単分子接合のMR特性を調べたところ、MR の信号強度は弱く、MR の発現には、アンカー部の電子状態が重要であることが判った。
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Research Products
(6 results)