2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23655176
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三崎 雅裕 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00462862)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
ポリジメチルシロキサン(PDMS)スタンプの表面改質として、フォトクロミック色素の一種であるスピロピランを用いた濡れ性コントロールに挑戦した。前年度までに、導電性高分子のポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)を対象として、スタンプ上での成膜の際はスピロピラン化合物がメロシアニン(PMC)体の状態でPEDOT/PSSを塗布し、基板への転写の際はスピロピラン化合物がスピロ(SP)体の状態でスタンプから基板上にPEDOT/PSS膜を転写することに成功した。当該年度は、異性化の際にマスクを通して露光することで、任意のパターンの形成を試みた。 実験でPDMSの表面修飾に用いるスピロピランとして、6-nitro-3’,3’-dimethyl-1’-octadecylspiro[2H-1-benzopyran-2,2’-indoline] (SP18)を使用した。SP18で修飾したPDMSシートは、紫外線照射した部位だけ紫色に着色し、SP体からPMC体へとフォトクロミズムを示すことが確認された。PEDOT/PSSをスピンコートすると、SP体の部位には塗布されず、PMC体の部位のみ成膜できることが分かった。そこで、フォトマスク(長さ6mm、線幅は0.1mm又はチャンネル長0.05mm)を通して紫外線を露光し、その後フォトマスクを取り除いてPEDOT/PSSをスピンコートした。80℃で加熱しながらガラス基板に圧着・転写したPEDOT/PSS膜は、マスクの形状と完全に一致した。この結果により、マイクロオーダーの高精細なパターンを形成できることが実証された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PEDOT/PSSインクを対象として、当該年度に予定していた有機薄膜のパターニングに関して 計画は概ね達成できたが、パターニング可能な材料の探索やデバイス化に必要な塗り重ね(積層化)に関して検討する必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に達成したパターニング技術に加えて、複数回転写を繰り返すことによる積層化技術を研究・開発することで、デバイス化を加速させる。また、汎用性の観点からは、PEDOT/PSS以外にも各種有機半導体、電極、誘電体、絶縁体などの材料について探索する。最終的には本プロセスを活用した有機EL素子の製造を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
デバイス作製用の基板や薬品、TEM観察用のフィルムと現像剤など必要な消耗品の購入にあてる。また、旅費については、国内調査予定地としてつくば市、外国調査予定地としてアメリカ合衆国を計画している。
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