2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655177
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 謙司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20303860)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 裕清 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40116190)
三崎 雅裕 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00462862)
小柴 康子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (70243326)
|
Keywords | 有機強誘電体 / 分極 / 有機半導体 |
Research Abstract |
本研究では、有機強誘電性分子の形成する分極電場が有機半導体に及ぼす影響を解析した。有機薄膜太陽電池におけるP型/N型界面での半導体特性制御を目指して、p型/n型有機半導体層間に有機強誘電体を挿入し、自発分極方向によるP型/N型両有機半導体の不揮発的な蓄積、空乏状態制御の可能性を検証した。 有機強誘電体にはフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンのランダム共重合体であるP(VDF/TrFE)を、有機半導体には有機薄膜太陽電池への応用を見据え銅フタロシアニン(CuPc, p型半導体)とフラーレン(C60, n型半導体)を用いた。石英基板上にAu下部電極を蒸着後、CuPcを40nm真空蒸着した。その直上にP(VDF/TrFE)をスピンコート後、C60を30nm、Al上部電極を蒸着した。Au/CuPc、Al/C60界面はそれぞれオーミック接触となるため、この構造により有機強誘電体/有機半導体界面での電気物性評価が可能である。作製したデバイスの電気特性は電流電圧測定(JV測定)、容量電圧特性(CV測定)から解析した。上部電極に振幅35Vの三角波電圧を印加した所、そのJV曲線の負電圧側には分極反転電流ピークが1つのみ観測されるのに対し、正電圧側では3つの電流ピークが観測された。その原因解明のため、CuPc, C60膜厚を独立に変化させてJV特性を詳細解析した結果、分極反転電流ピークに加えてC60及びCuPcの空乏化に起因する電流ピークが発生していることが判明した。またCV測定では正側領域で電気容量の急激な2段階減少が確認された。総じてP型/N型層間に挿入した界面分極電場は、外部電界により反転保持可能であると共に、有機半導体のキャリア状態を3つの状態を不揮発的に制御できることを明らかとした。
|
Research Products
(10 results)