2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23655191
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅野 了次 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (90135426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 雅章 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (30531165)
小林 玄器 神奈川大学, 工学部, 助手 (30609847)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | イオン導電体 / エネルギーデバイス / 無機固体化学 |
Research Abstract |
K2NiF4型La2LiHO3のLaをアルカリ土類金属や4価のCeで置換することにより、ヒドリド(H-)の欠損したLa2-xMxLiH1-xO3 (M = Mg, Ca, Sr, Ba)と岩塩層-ペロブスカイト層の層間にH-が導入したLa2-xCexLi(HO3)Hxを合成した。このH-含有量の制御により導電率は向上し、組成La1.7Sr0.3Li(H1.45O2.55)H0.15では現段階で最も高い導電率が得られた(σ=3.1 x 10-5 S cm-1, 300℃)。さらに、Laの置換量の増加に伴い、対称性が斜方晶(空間群: Immm)から正方晶(空間群: I4/mmm)に変化することを見出し、ab面上にLiとH-が4配位したLiH4平面を有するLaSrLiH2O2と4eサイト(空間群: I4/mmm)をH-が占有したSr2LiH3Oの合成に成功した。LaSrLiH2O2の導電率については、LiH4平面がH-導電の二次元パスとして機能することで高い導電特性が得られると思われたが、欠損を導入したLa1-xSr1+xLiH2-xO2においても飛躍的な導電率の向上は認められなかった。一方、K2NiF4型構造が層間への酸化物イオンの導入により3次元的な酸化物イオンの拡散が得られる系であることを考慮すると、層間のサイトと相互作用できる4eサイトをH-が占有しているSr2LiH3Oは、H-量を制御することで優れたヒドリド導電特性を発現する可能性があり、今後の展開が期待される。 これまで合成してきたK2NiF4型構造のLa2LiHO3を基に、置換により母構造を維持したままH-含有量を制御方法を確立し、H-の規則配列が異なる新規物質を合成した。この結果は、これまで知見が皆無であったH-イオン導電に適した構造を見極めるうえで重要な手がかりとなり、今後の物質探索に資する成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒドリド含有量と配列を制御する合成方法を確立できたことで、今後の物質探索の効率が飛躍的に向上する。さらに、K2NiF4型構造から他のRuddlesden-Popper型層状化合物やペロブスカイト構造に物質系を拡大した場合においても同様の手法が適応できる可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの合成結果を基に、高いヒドリド導電性を有する新規物質の探索を継続する。さらに、物質探索と並行して、水素濃淡電池や遷移金属水素化物を正極とした電池(MHx / SE / Mg (Li-Al合金))を用いて起電力測定やサイクリックボルタンメトリーを行い、観測されたヒドリド導電現象を証明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の執行額に残額が生じたのは、効率的に使用出来たためである.水素濃淡電池や遷移金属水素化物を正極とした電池用の電気化学セルを設計,導入する.高温X線回折は外部施設SPring-8で行うため,そのための旅費を計上した.
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