2012 Fiscal Year Research-status Report
チタニアナノチューブ/ナノ酸化鉄ピーポッド配向薄膜の創製と光磁気デバイスへの展開
Project/Area Number |
23655197
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 義和 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (40357281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主幹研究員 (50267407)
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Keywords | ナノチューブ / ピーポッド / 内包粒子 / 磁場配向 / 静電噴霧熱分解 / 配向成膜 |
Research Abstract |
本研究では、高密度・高温動作記録デバイス等への応用を目指し、形状を高度に制御した酸化チタン系ナノチューブ内部に、直径3~5 nm のナノ酸化鉄粒子を高密度に充填した「チタニアナノチューブ/ナノ酸化鉄ピーポッド」を新規に合成することを目的としている。さらに、これを強磁場中で配向成膜することにより、上記ピーポッドが高密度に配向したハイブリッド薄膜を創製するとともに、磁気力顕微鏡(MFM)等を用いて磁区構造を詳細に評価し、ナノマニピュレータを用いた書き換えや回路形成についての検証を行うことを最終的な目標としている。 平成24年度は、「①材料合成」についての検討を引き続いて行うとともに、「②薄膜形成」に関して、磁場配向プロセスの予備検討・考察を行った。①材料合成については、ピーポッドに内包させるために必要な高度に均質な球状粒子を静電噴霧熱分解法により合成するプロセスについて検討した(Comptes Rendus Chimie, 16 [3] 244-251 (2013))。また、ピーポッド作製の予備検討として、細孔径の揃った陽極酸化アルミナをテンプレートとし、サイズの揃った1次元ナノ材料を合成することを試みた(愛須一史、鈴木義和ら、投稿中)。②薄膜形成については、磁場配向プロセスについて、詳細な検討を行った(鈴木達ら、セラミックス,47,4,243-248,(2012))。平成24年度末時点で、1次元TiO2のサイズ制御等を引き続きすすめているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画および交付申請では、「③評価・マニピュレーション」の一環として、「MFM による磁区構造観察、及びナノマニピュレータによるピーポッドの任意位置への移動」についても提案していたが、研究経費充足率の点から③の部分を縮小せざるを得なかった。平成25年度に改めて検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1次元ナノ材料の合成、球状微粒子の合成にある程度のめどがついたことから、平成25年度はピーポッドの合成プロセスおよび磁場配向、機能性評価について検討を進めていく予定である。さらに、斜方晶ナノロッドの3軸配向化などについても検討をすすめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度未使用額については、3月に購入した物品の支払いが会計処理上4月になったためである。 平成25年度では、既存の設備を可能なかぎり有効活用し、新規装置導入に必要な期間・費用を削減するために、小規模の計測器・アタッチメント等を除き新規装置は原則導入しない予定である。消耗品として、材料合成・薄膜形成に必要となる試薬類に加え、作製した薄膜の評価に必要となる走査プローブ顕微鏡の探針等を購入予定である。旅費については、共同研究および研究発表に必要な額を使用する予定である。
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Research Products
(9 results)