2013 Fiscal Year Annual Research Report
新しいアクセプター型黒鉛層間化合物の合成とその超伝導特性
Project/Area Number |
23655203
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
豊田 昌宏 大分大学, 工学部, 教授 (00290742)
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Keywords | 黒鉛層間化合物 / アクセプタータイプ / イオウ / グラファイトシート |
Research Abstract |
本研究では,ホスト黒鉛にグラファイトシート(GS),膨張黒鉛シート(ExGS)及びそれを2500 oCで熱処理した膨張黒鉛シート(Ht.ExGS)を,インターカレートに硫黄を用い,これまでに報告例のないアクセプター型の黒鉛層間化合物S-GIC(GIC ; Graphite Intercalation Compounds)の合成を溶液法により検討を行った.空気雰囲気下,148 oCで192時間,ホスト材料であるグラファイトシート(GS)を溶融した硫黄に浸漬し,S-GICの合成を試みたところ,新たなピークが確認されず,S-GICの形成に至らなかった.一方,空気雰囲気下,350 oCで溶融した硫黄に24時間,ホスト材料であるグラファイトシート(GS)及び膨張黒鉛シート(ExGS)を浸漬し,S-GICの合成を試みたところ,ホスト材料あるいは,インターカレートである硫黄に相当しない新しいピークがXRDパターン上に確認でき,層間化合物の形成が示された.しかしながら,窒素雰囲気下,350 oCで48時間,グラファイトシート(GS),膨張黒鉛シート(ExGS)及び熱処理した膨張黒鉛シート(Ht.ExGS)を溶融した硫黄に浸漬し,S-GICの合成を行ったところ,空気中での合成において認められた新しいピークの確認はできなかった.このことから,確認された新しいピークは,合成の際に空気の影響を受けると考えられた.空気中で認められた新しいピークの同定を行ったところ,S-GICのピークに近似したピークが一か所で認められた.しかしながら,繰り返し周期が確認されなかった.新しいピークの同定を行ったところ,副反応生成物のピークの可能性も考えられた.
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