2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23655205
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 義之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50196698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 ひとみ 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (50609245)
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Keywords | ナノシート / 層状ニオブ酸塩 / 層間化合物 / 有機ホスホン酸 / グラフト反応 / 有機誘導体 / “ヤヌス”型 |
Research Abstract |
ナノシートが積層した構造を持つ無機層状物質の中には、ナノシート表面に有機基をグラフトさせて有機誘導体を得ることができるものが知られており、有機ホスホン酸を用いた修飾反応が知られている。層状ニオブ酸塩である六ニオブ酸カリウムは2つの反応性が異なる層間を有し、層間Iにだけ有機イオンを導入したA-typeの層間化合物と層間I、IIともに有機イオンを導入したB-typeの層間化合物を形成する。本研究では、有機イオンがある層間だけホスホン酸とのグラフト反応が進行する事を利用し、層間Iの層表面だけに有機ホスホン酸基がグラフトしたA-typeの有機誘導体を作製した後、層間IIにアルキルアンモニウムイオンをインターカレートさせ、A-typeの有機誘導体化の時とは異なるホスホン酸を用いる事により、異なるホスホン酸で層間Iと層間IIが修飾された“ヤヌス” 型ナノシートを作製した。昨年度の結果に基づき、層間Iをフェニルホスホン酸基で修飾した後、ドデシルアンモニウムイオンとの反応により層間IIにドデシルアンモニウムイオンをインターカレートした中間体を作製した。これにカルボキシプロピルホスホン酸を反応させたところ、層間距離は3.88 nmから3.01 nmへ減少した。固体高分解能Carbon-13 NMRの結果から、フェニル基とカルボキシプロピル基に帰属されるシグナルが観測された。また、[Nb6O17]あたりのPの値が中間体より増加していた。また、反応後の溶液中には、フェニルホスホン酸は溶解しておらず、ホスホン酸基交換反応は進行しないと考えられた。以上の結果から、本プロセスにより“ヤヌス”型ナノシートが合成できたことが明らかとなった。
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