2013 Fiscal Year Annual Research Report
エマルジョンを用いたポリウレタンの反応エレクトロスピニング
Project/Area Number |
23655209
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
青木 雄二 山形大学, 理工学研究科, 客員教授 (30536199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SUKUMARAN S.K. 山形大学, 理工学研究科, 助教 (70598177)
杉本 昌隆 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (10361271)
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Keywords | エレクトロスピニング / ポリウレタン / コア・シェル構造 / ナノファイバー / 高強度・高弾性 |
Research Abstract |
本研究は有機溶媒を使用しない系でポリウレタン(PU)の静電紡糸を行うことを目的とするものである。具体的には高分子水溶液中 に分子量の低いPUプレポリマーをエマルジョンの状態で分散させ、これを紡糸することによってエマルジョン中のPUドメインの合一と 架橋剤によって架橋させることで高分子化したのちに水溶性の高分子を溶かしてPUの繊維を得るというものである。この方法は、低分子試料を高分子の水溶液にブレンドし、ブレンド溶液の紡糸と低分子試料の架橋によって繊維を得るという知見から着想を得たものである。以下にこれまでの経過をまとめる。 架橋剤を添加しない系において、極板間距離、PUプレポリマーの添加量、ポリビニルアルコール(PVA)水溶液濃度が繊維形成に及ぼす影響の調査を行った。PVA水溶液にPUプレポリマーを混合したエマルジョンからはPUの繊維は得られず、連なった PU粒子を得るという結果に留まった。 続いて、エマルジョンに架橋剤の添加を行わない系で、PU粒子が連なった構造を得られた条件において、架橋剤を添加し、PUの繊維が作成可能か調査した。エマルジョンに架橋剤を15wt%添加することにより、繊維状のPUを得ることができた。得られた不織布のフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)測定結果から、架橋反応が進行しウレア結合を生成していることが確認され、このウレア結合はウレタン結合に比べ凝集力が強いため、密で大きな凝集体を形成し、紡糸過程での伸張によりこの凝集体が引き延ばされ、PUの繊維形成へと繋がったと考える。 以上より、目的としていた有機溶媒を用いない方法で、低分子試料の繊維化には成功したと考える。しかし得られた不織布(PVA/PU 繊維)は芯鞘構造を形成しているかの確認は出来ていないため、さらなる検討が必要である。
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