2011 Fiscal Year Research-status Report
ソフト系コロイド結晶を用いたチューナブルレーザ発振
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23655212
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土田 亮 岐阜大学, 工学部, 教授 (60183076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 紳矢 岐阜大学, 工学部, 技術専門職員 (40377700)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | コロイド結晶 / レーザ発振 / 光閉じ込め効果 / ブラッグ反射 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
60ナノメートルから1ミクロンまでの様々な粒径を持つ、単分散球形コロイダルシリカ、及びポリメタクリル酸メチル微粒子を用い、特に高い体積分率の水分散液を脱塩処理した。数か月に渡る脱塩操作の後、ほぼ全ての試料についてコロイド結晶を発現させることが出来た。結晶の臨界融解濃度、及び単結晶粒径を反射スペクトル分析により微粒子の体積分率をパラメータとして記述した。この系に、6種のカチオン性色素(ローダミン系色素2種類、トリフェニルメタン系色素4種類)、そして1種のアニオン性色素(Acid Blue 113)、計7種を吸着させた。これら色素のコロイド微粒子への吸着量をラングミュアプロットにより解析し、吸着平衡定数、及び飽和吸着量を求めた。この結果により、色素レーザ発振用色素の微粒子表面と分散媒との分布状況を確定することが出来た。色素吸着させたコロイド結晶分散液を石英セル中でYAGレーザ(SHG)励起することで、色素レーザ発振が起こることを確認することが出来た。コロイド結晶のブラッグピーク波長とレーザ発振波長の相関が認められたので、レーザ発振の空間的コヘレンシーを検討する実験を準備している。分散液系だけでなく、固体最密充填系のコロイド結晶におけるレーザ発振も検討するため、分散液滴の乾燥散逸構造を発現させ、そこでの粒子分布を多種の顕微鏡(走査プローブ顕微鏡、共焦点顕微鏡、CCD顕微鏡、走査電子顕微鏡)を駆使して明らかにした。この乾燥散逸構造発現に対する偏析(セグレゲーション)の影響を、大小、又は軽重微粒子混合系で調査し、液滴外周部と中心部、そして液滴表面と裏面で偏析による粒子分布の偏りが起こることを定量的な実験で明らかとした。この結果により、偏析条件を最適化することで、レーザ発振の空間的コヘレンシーを制御できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載の平成23年度計画は、ほぼ問題なく完了することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
概略としては、研究計画書の平成24年度計画を計画通り遂行する。平成23年度の成果として乾燥散逸構造の偏析効果で興味深い結果が得られているので、その現象も重点的に調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度研究費の消耗品、及び旅費としての使用内容は、平成23年度とほぼ同等である。
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