2012 Fiscal Year Annual Research Report
ソフト系コロイド結晶を用いたチューナブルレーザ発振
Project/Area Number |
23655212
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土田 亮 岐阜大学, 工学部, 教授 (60183076)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 紳矢 岐阜大学, 工学部, 助教 (40377700)
|
Keywords | コロイド結晶 / レーザ発振 / 光閉じ込め効果 / ブラッグ反射 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
粒径が60ナノメートルから1マイクロメートルまでの単分散コロイダルシリカ、単分散ポリメタクリル酸メチル微粒子の水分散液を、イオン交換樹脂により脱塩処理した。ここに6種類のカチオン性蛍光色素、1種類のアニオン性蛍光色素をそれぞれ添加し、コロイド結晶を発現させた。色素のコロイド微粒子への吸着量は、ラングミュアプロットにより解析し、吸着平衡定数、飽和吸着量を求めた。発現したこれらのコロイド結晶のキャラクタリゼーションを反射スペクトル等を用いて行い、体積分率を適切に調整することで、結晶による可視光のブラッグ反射を蛍光色素の吸収バンドに一致させた。これらの色素吸着コロイド結晶を石英セル中に入れ、高強度YAGレーザの2次高調波の波長532ナノメートルのパルス光で励起したところ、色素レーザ発振を観測できた。本研究結果を更に個体最密充填系のコロイド結晶に適用するため、コロイド分散液が発現する乾燥散逸構造の発現機構に関する検討を行った。レーザ発振に方向性を持たせる目的で、大小または軽重混合系コロイド結晶に注目した。これらの混合系は、乾燥散逸構造発現における偏析(セグレゲーション)効果により、液滴外周部と中央部で粒子混合比を変化させることができる。反射スペクトル及び共焦点顕微鏡、走査プローブ顕微鏡の解析により、粒子分布の空間的状況を定量的に求めることができた。これらの結果により、偏析条件の最適化でレーザ発振の空間的コヘレンシー、更には発振波長を制御できる可能性が示された。
|