2011 Fiscal Year Research-status Report
離型剤を必要としないUVナノインプリント用樹脂モールド材料の開発
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23655218
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
白井 正充 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00081331)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | UVインプリント / 樹脂モールド / 分解型光硬化樹脂 / 表面特性 |
Research Abstract |
UVナノインプリント技術は微細加工技術として注目されている。一般に、 UVナノインプリントでは、硬化樹脂と石英モールドを剥離するために、石英モールド表面をフッ素系離型剤で処理することが不可欠である。離型剤を使用しても、多回数のUVナノインプリントプロセスでは、石英モールド表面の離型剤の劣化による高価なモールドの汚損が避けられない。本研究では、石英モールドの代替として、光硬化樹脂製のレプリカモールドを作製する。さらにモールド用光硬化樹脂として、離型剤を必要としない特性を有する樹脂材料を開発する。また、樹脂モールド表面の特性とインプリント材料との剥離性を、表面科学の立場から明らかにすることを目的とした。以下の2項目について研究を行った。1)鋳型パターン作製のための分解型モノマーの設計・合成 硬化樹脂モールドの作製においては、鋳型として用いる分解型UV硬化樹脂が必要である。硬化収縮の少ない分解型UV硬化性モノマーを新規に開発した。分解ユニットにヘミアセタールエステルユニットを有した多官能メタクリラート分子設計・合成した。これらのモノマーと光ラジカル重合開始剤や光酸発生剤をブレンドし、365nm光で硬化し、254nm光照射により室温付近で分解・可溶化する系を構築した。2)硬化樹脂モールド用材料の設計と硬化物の特性評価 鋳型法による樹脂モールドは、汎用の多官能アクリルモノマーの重合物で得ることができる。汎用多官能アクリル系モノマーと光酸発生型モノマーの混合物は365nm光照射で硬化させる。硬化樹脂モールドの表面の親水化は、254nm光照射し、表面層にスルホン酸基やカルボキシ基を発生させることで達成した。酸発生型モノマーは新規に合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鋳型パターン作製に必要な、分解型多官能メタクリラートモノマーを分子設計し、合成した。光硬化収縮が比較的小さい樹脂を開発できた。鋳型パターンを用いて、樹脂モールドを作製した。樹脂モールドの成分として、光酸発生型モノマーを含ませており、254nm光照射により、樹脂モールド表面を親水化する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして、硬化樹脂モールドを用いた各種モノマーのUVナノインプリントを実施し、樹脂モールドの性能を評価する。特に、UVナノインプリント物の樹脂モールドからの剥離性に焦点を当て、作製した硬化樹脂モールドが離型剤なしで使用できるUVナノインプリント用モノマーの親水性/疎水性の指標を作成する。汎用の多官能アクリルやメタクリルモノマーと含フッ素ビニルモノマーの混合比を変化させ、離型剤フリーで用いる事ができる硬化樹脂モールド用のUV硬化樹脂を設計する。硬化樹脂モールドのUVナノインプリント使用における繰り返し使用の耐久性を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
樹脂モールド作製用の多官能モノマーの購入や光インプリント用含フッ素モノマーなどの化学試薬を購入する。その他、インプリント用装置の露光光源ランプや微細パターンを有する石英モールドの購入を計画している。
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Research Products
(17 results)