2012 Fiscal Year Annual Research Report
離型剤を必要としないUVナノインプリント用樹脂モールド材料の開発
Project/Area Number |
23655218
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
白井 正充 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00081331)
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Keywords | UVインプリント / 樹脂モールド / 複製樹脂モールド / 分解型光硬化樹脂 / 離型剤フリー |
Research Abstract |
UVナノインプリントでは、石英モールドをUV硬化モノマーに押し当て光照射後にモールドを取り外し、パターン転写を行う。このプロセスでは、UV硬化したパターンをモールドから剥離し易くする必要があり、離型剤で処理した石英モールドを用いる。しかし、多数回のインプリント操作では、離型剤が劣化し、モールド表面での硬化樹脂の残留によるモールドの汚損が避けられない。本研究では石英モールドの代替として、複製樹脂モールドを作製する方法を確立した。さらに、樹脂モールド用材料として、離型剤を必要としない特性を有する樹脂材料を開発した。また、表面科学の立場から、樹脂モールド表面の親水特性とUVインプリント樹脂の剥離性の関連を明らかにすることを目指し、以下の2項目について研究した。 1.複製樹脂モールドの作製:分解性を有する光硬化樹脂を鋳型モールドとして用いて、複製樹脂モールドを作製する方法を開発した。硬化収縮性の小さい分解型UV硬化モノマーとして、ヘミアセタールユニットを有する多官能メタクリラートを分子設計・合成した。これらモノマーに光ラジカル開始剤、光酸発生剤を混合したものは、365nm光で硬化し、254nm光で分解・可溶化するので鋳型モールド用樹脂として用いて、複製樹脂モールドの作製を達成した。 2.表面親水化した樹脂モールドの開発とそれを用いたUVインプリント:254nm光でスルホン酸、カルボン酸、あるいはアミンを発生するラジカル重合型モノマーを新規に合成した。これらモノマーと多官能アクリルモノマーを混合した樹脂を用いて、複製樹脂モールドを作製した。樹脂モールドに254nm光を照射し、表面を親水化した。この樹脂モールドを用いて、疎水性の高いモノマーに対して、離型剤無しで繰り返しUVインプリントできる事を実証した。
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Research Products
(15 results)