2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 明宏 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (00333906)
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Keywords | 半導体 / 量子ドット / 表面プラズモン |
Research Abstract |
本研究においては、化合物半導体量子ドットに原子オーダーで長さを制御した分子鎖を結合させ、その反対側に金属ナノ粒子を結合させたハイブリッド量子ドットダイマー構造を作製する。そして、このハイブリッド量子ドットダイマーにおいて、金属ナノ粒子の局在型表面プラズモン電場により増幅された半導体量子ドットの光応答特性を明らかにすることを研究目的としている。 平成25年度は、前年度に引き続き、ハイブリッド量子ドットダイマーにおいて得られた金属ナノ粒子の局在型表面プラズモン電場の光応答特性を定量的に明らかにするため、50~200 nmの領域で形状やサイズ、間隔を正確に制御したAuナノ構造を電子線描画により作製し、InGaAsやInAlAsなどのIII-V族化合物半導体自己組織化量子ドットと複合させたハイブリッド量子ドット構造を作製した。そして、量子ドットに対する顕微発光分光の詳しいAu構造依存性の測定を行い、さらに、実際のAuナノ構造の形状とサイズにもとづいた3次元光電場分布とその波長依存性の計算を行い両者を比較した。その結果、Auナノ構造の配列規則性が高い場合、Auナノ構造間に非局在型の光電場分布が生じることにより、量子ドットの電子系の光励起状態からこのAuナノ規則構造の非局在性光電場へのエネルギー移動が顕著に生じていることが結論された。本結果は、これまでに得られている、金属ナノ粒子と化合物半導体量子ドットのハイブリッド量子ドットダイマーにおける顕著な消光効果や、Auナノ構造と結合した発光効率の低いSiナノディスクおける光電場の増幅効果などの実験結果の妥当性を支持している。
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