2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656009
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60111580)
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Keywords | チオフェン/フェニレン・コオリゴマー / 微小共振器 / パーセル効果 |
Research Abstract |
<チオフェン/フェニレン・コオリゴマー微少円筒共振器のレーザー発振> チオフェン/フェニレン・コオリゴマー、2,5-bis(4-biphenylyl)-thiophene(BP1T)分子を0.07mol%含む屈折率1.49のポリメチルメタクリレートにドープして溶解し、これから糸を引いて急冷して直径が31μmと36μmの微少円筒を作成し、パルスレーザーで励起すると円筒媒質と大気との境界面で全反射しながら周回し、円周の長さが光共振器モード波長の整数倍となるウィスパリングギャラリーモード (WGM) によるレーザー発振を示した。励起光源として、Nd:YAGレーザーの第三次高調波(355nm)を用い、室温で微少円筒を光励起すると、低励起ではBP1T分子の波長430nm付近の幅広い発光バンドが観測されるが、励起強度が閾値以上では7,8本のほぼ等間隔の狭いピークが幅広い発光バンドに重なって発光するスペクトルが得られた。微小円筒中の電磁波定在波を波動方程式の固有値問題として求めると、円筒断面内の動径方向の次数lと方位角方向の次数mで(l,m)と特徴づけられるWGMの共振波長が得られる。計算によれば、直径36μmの円筒では(1,373)から(1,382)までのモード、直径31μmの円筒では(1,323)から(1,330)までのモードが観測された等間隔のピークとよく一致し、WGMと同定できる。BP1T結晶マイクロリングからのWGM室温レーザー発振について既に報告したが、新たな成果は極めて簡便な作成法によって作成したBP1T分子をドープしたポリマー微少円筒共振器のWGM室温レーザー発振に特徴がある。
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