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2011 Fiscal Year Research-status Report

自発的液晶-液晶ナノ相分離構造を利用したランダム分布帰還型レーザー発振

Research Project

Project/Area Number 23656016
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

高西 陽一  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80251619)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords液晶 / フォトニクス / ナノ複合構造
Research Abstract

本研究は、棒状コレステリック液晶-屈曲型液晶二成分混合系におけるナノ相分離構造を作製し、小角X線散乱ならび動的光散乱測定で推測通りの構造形成を確認した後、発光色素を添加して、ランダム分布帰還型フォトニック効果を検証することを目的とし、さらに金ナノ粒子を展開しプラズモニクス現象をも組み合わせてさらなる効率化向上を目指すものである。23年度は2混合系の構造形成とその光学特性を評価する予定であった。まず混合系に関して、小角X線散乱測定を行い、従来のネマチック相-B4相混合系のような構造ができているか測定した。結果フィラメント構造に起因する層構造周期の回折以外に、別の回折ピークが観測された。色々検討した結果、この回折ピークはコレステリック液晶を形成するキラル材単体において観測されるスメクチック層周期構造に対応するものであることがわかった。これはコレステリック液晶を形成するネマチック液晶とカイラル液晶が、屈曲型液晶との混合によって相分離してしまったことを示唆するものであり、このままでは想定していた構造を形成していないことがわかった。この推定結果は分光測定による選択反射バンドが消失していることからも支持される。更に検討を重ねた結果、この相分離は混合系作成時の昇降温速度に依存することがわかってきた。今後はこの最適化を調査し、発光特性につなげる予定である。なお、ランダムレーザー発振に重要な光子の散乱平均行路長を見積もるためのコヒーレント後方光散乱測定系は立ち上げた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

なんといっても想定していた構造が形成されていない点につきる。いきなりスタートから問題が発生したのでそれをどう解決するかに時間を要してしまった。ただし解決の糸口はみつかったと考えているので、これを最適化して遅れた研究を推進したいと考えている。幸い発光特性の測定系、及び発行に重要な物性変数の測定系は前倒しで作製している。

Strategy for Future Research Activity

まず最適な構造を形成する条件を確立するべく、混合時の昇降温速度の最適化条件を見つける。構造の評価は小角X線散乱で行う。構造を確認の後、コヒーレント後方光散乱測定を行って系の光子の散乱平均行路長を求め、ランダムレージングに必要な物性をもっているか評価する。つづいて最終年度でもあるので、散乱平均行路長によらず発光特性を評価する。金ナノ粒子を混合し、添加した系としていない系の二種類について発光特性を比較検討する。特に金ナノ粒子がナノ相分離構造の境界部に局在している場合、B4相のヘリカルフィラメント、ならびにコレステリック液晶のらせん周期構造が一種の回折格子として作用し、表面プラズモン共鳴をおこして発光増強につながる可能性が期待できる。発光特性,レーザー発振特性を評価し、添加していない場合と比べてどの程度効率が高くなったかを評価する。また混合比によってコレステリック相のドメインサイズが変化するので、時間領域差分法(FDTD法)を用いて構造内の電場解析を行い、どのくらいの構造サイズで効率が高いか計算で見積り、そのサイズに近い混合比で実際に効率化が図られたかを検証する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

最終年度は主に、使用するレーザー用のフラッシュランプ、試料基板の石英基板や、発光色素、金コロイドなどの材料費にあてる。またうまく成果がまとまった所で学会での成果報告を行い、欧文誌に投稿する。

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Published: 2013-07-10  

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