2012 Fiscal Year Annual Research Report
自発的液晶-液晶ナノ相分離構造を利用したランダム分布帰還型レーザー発振
Project/Area Number |
23656016
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高西 陽一 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80251619)
|
Keywords | 液晶 / フォトニクス / ナノ複合構造 |
Research Abstract |
本研究は、棒状コレステリック液晶-屈曲型液晶二成分混合系におけるナノ相分離構造を作製し、小角X線散乱ならび動的光散乱測定で推測通りの構造形成を確認した後、発光色素を添加して、ランダム分布帰還型フォトニック効果を検証することを目的とし、さらに金ナノ粒子を展開しプラズモニクス現象をも組み合わせてさらなる効率化向上を目指すものである。 23年度の小角X線散乱測定で明らかになった、コレステリック液晶を形成するネマチック液晶とカイラル液晶が、屈曲型液晶との混合によって相分離してしまったことを示唆するものであり、このままでは想定していた構造を形成していない欠点を克服するべく、昇降温速度などの最適化条件出しを試みたが良好なフォトニックバンド構造をもつ構造体は形成されなかった。なお、ランダムレーザー発振に重要な光子の散乱平均行路長を見積もるためのコヒーレント後方光散乱測定系は立ち上げ、ネマチック相単体の測定は行い、測定可能であることは確認している。更に金ナノ粒子をチオール修飾し、液晶に混合した際に配向秩序の低い所へ金ナノ粒子が凝集するかの確認実験も行ったが、予想に反し配向秩序の高い部分に集まることが金の1次元発光スペクトル測定から明らかになった。 以上の様に申請者の当初の予想に反する結果が2つ明らかになったが、今後は逆にそれを利用した発光増強の試みを行う予定である。 一方この研究の進捗の課程で、コレステリック液晶と水層からなるナノ複合構造における光増強の研究への発展も試み、こちらに関しては全方位レーザー発振に成功し、欧文誌に投稿、掲載が決まった。
|
Research Products
(1 results)