2012 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ・ベクトルホログラムによる高強度レーザーの全角運動量シンセシス
Project/Area Number |
23656041
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
尾松 孝茂 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 教授 (30241938)
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Keywords | 非線形光学 / プラズマ光学 / 高強度レーザー |
Research Abstract |
光の「全角運動量(J)」は光波面の位相特異点に由来する軌道角運動量(L)と円偏光に由来するスピン角運動量(S)の量子力学的ベクトル和(J=L+S)で与えられる未開拓の新規光パラメータである。光の「全角運動量」を用いると、これまで制御不能であったプラズマなどの荷電粒子集団の指向性を光で自在に制御できる。本研究では、パルスレーザー光照射によって誘起されるプラズマ(レーザー誘起プラズマ)にレーザー光の空間位相分布と偏光空間分布(電場ベクトルの空間分布)をホログラム記録する(「プラズマ・べクトルホログラム」)。この「プラズマ・ベクトルホログラム」を用いて、1TWを超える高強度レーザーの「全角運動量」を自在に制御することを目的とする。 GWレベルのピーク強度を有するピコ秒レーザー(パルス幅20ps、波長1um)の波面を石英ガラスでできた螺旋位相板により変調し光渦を発生させた。この光渦と平面波の二光束干渉によってプラズマ・ホログラムの書き込みと読み出しを行った。ホログラム記録には石英ガラスを用いた。光渦と平面波が石英ガラス基盤上で二光束干渉すると石英ガラスのアブレーションが起こりプルームが発生する。それと同時に、記録されたプラズマ・ホログラムの再生光として前置縮退四光波混合に由来する自己回折光が発生した。自己回折光の波面が光渦であることは位相特異点とドーナツ型強度分布から確認できた。さらに、自己回折波のエネルギーが入射波エネルギーの3次関数で増加することから、光渦波面がプラズマ・ホログラムとして記録されていることを確認した。
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Research Products
(7 results)