2012 Fiscal Year Annual Research Report
原子気体の偏光分光信号を用いた線幅1Hz級レーザーの開発
Project/Area Number |
23656042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳥井 寿夫 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40306535)
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Keywords | 半導体レーザー / ホローカソードランプ / ストロンチウム / 偏光分光 / ヒートパイプ |
Research Abstract |
ストロンチウムのスピン禁制遷移を用いた偏光分光のための予備実験として、ストロンチウム原子と蒸気圧特性が近いリチウムのヒートパイプ中における偏光分光を試みた。今回用いたリチウム6は励起状態の超微細構造分裂幅が自然幅程度であり、円偏光のポンプ光によるスピン偏極が起きにくい。そのような状況においても、ポンプ光の飽和効果により円偏光複屈折が気体に誘起され、偏光分光が可能なことが実験的に検証された(Opt. Lett.37,2865(2012))。レーザー線幅狭窄化の伝統的な手法であるPound-Drever-Hall法と偏光分光信号を用いた線幅狭窄化が、光学密度が1より小さい範囲では数学的に等価であることを証明した(Phys. Rev. A 86,033805(2012))。蒸気圧の低いストロンチウム原子の分光のため、ホローカソードランプを導入し、その諸特性を近年開発された461nm半導体レーザーを用いて調べた。バッファガス(ネオン6Torr)の存在のため、ドップラーフリー分光で得られる均一幅(衝突幅+自然幅)は100MHz程度であり、また原子の分布がホローカソード表面近傍に偏っていることが確認された(arXiv:1303.1325)。ストロンチウムのスピン禁制遷移の分光には適さないが、ストロンチウムのレーザー冷却に必要な励起状態(3P2)の分光には極めて有効であることがわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article]2012
Author(s)
Takatoshi Aoki, Kotaro Umezawa, Yuki Yamanaka, Naotomo Takemura, Yasuhiro Sakemi, and Yoshio Torii
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 81
Pages: 034401
DOI
Peer Reviewed
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