2011 Fiscal Year Research-status Report
高強度レーザー場中の分子の時間依存配置間相互作用法の開発
Project/Area Number |
23656043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 顕一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30507091)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高強度場現象 / アト秒科学 / 量子化学 |
Research Abstract |
本研究は、高強度レーザー場中の分子のダイナミクス(トンネル電離や高次高調波発生などの高強度場過程)を、多電子相関効果・多チャンネル効果も考慮して第一原理的にシミュレーションするために、時間依存配置間相互作用(TDCIS)法の数値計算コードを開発することを目的としている。 平成23年度は、球対称ではないポテンシャルに対して、1電子時間依存シュレーディンガー方程式を解く部分の開発を行った。我々のこれまでの研究では、single-active-electron近似を前提として、球対称な実効ポテンシャルに対する時間依存シュレーディンガー方程式コードを開発してきたので、これをベースに開発を進めた。この方法では、ポテンシャルの角度成分を球面調和関数で展開し、動径方向は空間グリッド上の値で表す。また、波動関数についても角度成分を球面調和関数で展開し、動径方向は空間グリッド上の値で表す。与えられた時間依存の外場(入射レーザーパルスの電界の作るポテンシャル)に対して、角グリッド上の波動関数の値が満たす差分方程式を導出し、その時間発展を数値的に解く計算コードの開発に成功した。 テストとして、中心が原点からはずれた水素原子に対する計算を行った。中心が原点にある場合は先行研究で開発したコードで正確に計算でき、中心が原点からはずれても物理的な結果は同じになるはずであることから、よいベンチマークとなる。この結果、今回開発したコードが正しく計算できていることを確認することができた。また、水素分子に対しても問題なく動作することを確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高強度レーザー場中の分子のダイナミクス(トンネル電離や高次高調波発生などの高強度場過程)を、時間依存配置間相互作用(TDCIS)法によって数値的に解くためには、球対称でない実効ポテンシャルのもとで、1電子のダイナミクスを解く部分が必要であり、これの開発に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に開発した部分について、より複雑な非等方性を持ったポテンシャルに対してテストを行う。続いて、クーロン積分や交換積分を計算する部分を組み込んで、TDCIS計算の全体を行うコードの開発に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は交付決定時期が遅れたことや、交付決定額の減額の可能性があったこと、節電の必要があったことから、物品購入の一部を翌年度以降に変更する必要が生じた。次年度の研究費は、主に、必要なソフトウェア等の購入や成果発表のための旅費に使用する。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Second-order autocorrelation of XUV FEL pulses via time resolved two-photon single ionization of He2011
Author(s)
R. Moshammer, Th. Pfeifer, A. Rudenko, Y. H. Jiang, L. Foucar, M. Kurka, K. U. Kühnel, C. D. Schröter, J. Ullrich, O. Herrwerth, M. F. Kling, X.-J. Liu, K. Motomura, H. Fukuzawa, A. Yamada, K. Ueda, K. L. Ishikawa, K. Nagaya, H. Iwayama, A. Sugihara, Y. Mizoguchi, S. Yase, M. Yao, N. Saito, A. Belkacem, M. Nagasono, A. Higashiya, M. Yabashi, T. Ishikawa, H. Ohashi, H. Kimura, and T. Togashi
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Journal Title
Opt. Express
Volume: 19(22)
Pages: 21698-21706
DOI
Peer Reviewed
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