2011 Fiscal Year Research-status Report
パルス捕捉・増幅を用いた2波長同期超短パルスファイバレーザーの開発
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23656047
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西澤 典彦 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30273288)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 超短パルス / ファイバレーザー / パルス捕捉 / カーボンナノチューブ |
Research Abstract |
1.複屈折ファイバにおけるパルス捕捉の増幅特性の実験解析 本研究の目的である2波長同期超短パルスファイバレーザーの開発を実現するために,複屈折ファイバにおけるパルス捕捉の増幅特性を実験的に解析した.今回は,特にレーザー発振において重要になる,増幅自然放出光(ASE)の捕捉・増幅の特性を評価した.その結果,スーパールミネッセントダイオードから出力されたインコヒーレント光が制御パルスによって捕捉され,伝搬に伴う増幅によって,コヒーレントな超短パルス光を生成することに成功した. 2.複屈折ファイバにおけるパルス捕捉の増幅特性の数値解析 上記の実験と並行して,数値解析によってパルス捕捉の増幅特性の解析を行った.そして,位相に関わらず,相互位相変調によって群速度整合が取れる光の成分が制御パルスによって捕捉され,ラマン利得によって増幅されて,位相の揃ったコヒーレントなパルスが生成されることが明らかになった.3.全偏波保持超短パルスファイバレーザーの開発 パルス捕捉を用いた2波長同期超短パルスファイバレーザーの励起パルスを生成する親レーザーとして,全偏波保持型の超短パルスファイバレーザーを開発した.モード同期を掛けるための可飽和吸収体には,ポリイミドフィルムに分散させた単層カーボンナノチューブを用いた.また,ファイバレーザーは,波長1.55um帯で発振する,Erを添加したファイバ増幅器を用いて構成した.全偏波保持型の構成と異常分散の特性により,sech2型のソリトンパルスの安定な発振を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究の目的をほぼ達成することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
二つの共振器を結合させて,パルス捕捉を用いた2波長同期超短パルスファイバレーザーを開発する.共振器長を正確に合わせ,必要があればフィードバック制御を用いて二つのパルスの同期を取る.そして,開発したレーザーの特性の評価を行い,スペクトルの特性などを評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発する2つの共振器の共振器長を合わせるためのフィードバック制御システムを構築するために必要な光学部品や電子部品を購入する.また,パルス捕捉を誘起するために必要な複屈折ファイバやファイバ増幅器を励起するための半導体レーザーなどの購入を計画している. なお、平成23年度残金は、天災による光学部品の製造・納品の遅延によって生じた。
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Research Products
(6 results)