2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656055
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡嶋 孝治 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (70280998)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 細胞診断 / 細胞レオロジー / がん細胞 |
Research Abstract |
本研究は、究極のがん早期発見技術と言っても過言ではない単一細胞のがん化を診断する技術の開発を目的としている。これを実現するために、低侵襲、かつ精密に細胞力学を計測することが可能である、原子間力顕微鏡(AFM)技術を用いる。AFMと細胞マイクロアレイ技術を併用して、多数細胞の粘弾性(レオロジー)計測が可能なAFM装置の開発を行う。挑戦的な内容として、2年間の研究期間において、(1)超多数細胞を計測する技術の開発、(2)正常細胞とがん細胞のレオロジー統計解析、および(3)臨床応用を指向したAFM細胞診断装置の開発を行うことを目指した。昨年度は、正立型光学顕微鏡をベースにした、新しい細胞計測用のAFM装置の開発を行った。今年度は、まず、様々ながん細胞に適用できる汎用の細胞マイクロパターン基板の開発を行った。これは、マイクロコンタクトプリント法を用いて、金基板上に接着タンパク質のパターンを作製する方法と、金蒸着膜を加工する方法を用いた。幾つかの種類のがん細胞を用いて、安定に接着させ、培養できることを確認した。次に、規則的に配置した正常細胞とがん細胞を用いて、それらの細胞レオロジー計測を行った。本計測により、細胞弾性率、細胞流動性、およびニュートン粘性係数を独立に評価するこが初めて可能になった。また、正常細胞とがん細胞において、細胞レオロジー変数の細胞数標準偏差が異なり、周波数依存性を有することが分かった。さらに、臨床応用に装置の自動化を行うためにFPGAモによるプログラム開発を行った。
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Research Products
(12 results)