2013 Fiscal Year Annual Research Report
電磁スピニングシステムによるナノ流路駆動極小ポンプの開発
Project/Area Number |
23656057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00215584)
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Keywords | マイクロマシン / EMSシステム / 微小ポンプ / 界面モニター / 分子吸着 |
Research Abstract |
申請者らはこれまで、電磁的な相互作用を用いて微小物体を遠隔で機械操作する要素技術の開発に取り組んできた。本研究は、極微小化が可能な遠隔力学操作方式である電磁スピニング(Electro-Magnetically Spinning、以下EMS)システムを用いて、マイクロ流路ひいてはナノ流路中において重要な機械構成部材となるマイクロポンプ、マイクロバルブ、コックといった要素部品を作り上げるための基盤技術を開発することを目的とする。 本研究の最も大きな特徴は、マイクロマシンの基本駆動原理として、これまでにないまったく新しいEMSシステムを採用する点にある。この方式は構成が非常に簡便であるのに加えて、遠隔からの駆動エネルギー供給が可能であるという際立った特徴を有しており、これゆえ微小化が容易に行なえるというマイクロ・ナノ化学リアクターへの応用上きわめて優れた利点を持つ。本研究で開発する流体駆動のための微小機械要素は、今後バイオエンジニアリングや医療応用など様々な分野への応用が可能であり、その実現のインパクトは大きい。 本年度はこれまで滑りなしと仮定していた球の転がりモードについて、ころがり摩擦と印加トルクの関係からその運動モードが変化しうることに着目し、これを積極的に球と基板との力学接触条件の高精度モニタリングに応用する試みを行った。これにより固体基板上に吸着したナノメートルスケールの吸着体が球の公転周期に影響を及ぼすことを見出した。これを応用すれば分子単体の吸着状態をモニタリングできる新たな界面観察手法を構築することができる。
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