2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23656067
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
清水 良明 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10109085)
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Keywords | システム工学 / 最適化工学 / 多目的最適化 / ロジスティクスネットワーク / 意思決定 / メタ解法 / 主観的評価 / ハイブリッドアプローチ |
Research Abstract |
所与の問題解決を適切に(多目的)最適化問題として定式化するための一般的手順を与え、有用性の検証を行った。また暗黙知を形式知に牽引する取り組みとして、感性評価を含む多様な価値観に従う製品開発・設計支援システムの開発のための要素技術を与え、その実装化・性能評価の手順を示した。さらにこの対極にある形式知を暗黙知に還元する取り組みとして、価値観と関わる選好情報の収集のため、最終結果だけでなく探索中においても途中結果をわかり易く提示することの重要性を取り入れた多目的最適化手法の開発の要件について検討した。 一方、最適化工学体系を工学的問題解決に使える技術として育て、課題の深耕につなげるため現実の問題解決を多目的最適化問題としてシステマティックに定式化し、それをユーザが意味論的に理解するための方法論の展開を行った。また現実には多数の種類の最適化問題が存在するにも拘らず、全てに共通して有効な解法は存在しないため所与の問題に対してどのような解法が適切なのかの判断は容易ではない。また解法の選定後も求解上のパラメータ調整なしに良い結果が得られない。こうした求解上の支援のための最適化オントロジーの作成を目指して既往研究の調査を行った。これを通じて、所与の問題解決に対して定式化された最適化問題の適切性の検証や現実に採用すべき最適化手法の選択支援及び最適化パラメータの設定支援の重要性を示した。 以上を通じて、はじめに問題ありきではなく、問題の認識から始まり、価値システムの設定、問題の定式化、最適化結果の“みえる化”やこの考察から新たに生じる事後解析といった主観的な対応や関わりを不可欠とするアプローチを示した。今後こうした成果の蓄積が進めば、「問題として定式化できれば、改善につながるにも拘らず、どう定式化すればよいかわからず放置されたままの問題が非常に多い」という生産現場での現状を打破できるようになる。
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