2012 Fiscal Year Research-status Report
ゴム材料の力学的誘電率変化を利用した高機能電磁場デバイスのトポロジー最適化
Project/Area Number |
23656069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西脇 眞二 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10346041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉井 一浩 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314228)
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Keywords | 構最適化 / トポロジー最適化 / 電磁波デバイス / エラストマー / 有限要素法 |
Research Abstract |
ゴム材料に誘電性セラミックを混合し成形した高誘電性エラストマーは,荷重を負荷したときに誘電率を大きく変化させる.本研究では,この高誘電性エラストマーの誘電率の変化を利用した高機能な電磁波デバイスの構造創成設計の開発を目的に,力学的な変形による誘電率の変化と,それに伴う電磁波特性の変化を考慮可能な解析手法と,その解析手法に基づく新しいトポロジー最適化の方法論を構築する.これにより,非線形を伴う構造問題と電磁気問題の連成解析手法と,それに基づく新しい最適設計技術,さらには数学的および力学的見地に基づき高機能なリモートセンシングデバイスやアンテナなどの構造設計が可能となると期待できる. 本年度は,まず,幾何学的非線形を考慮した場合に生じる数値不安定性を回避しながら,ゴム材料の材料特性である超弾性を表現可能なトポロジー最適化の開発の一環として,粒子法に基づくトポロジー最適化の方法をあらためて検討しなおした.すなわち,前年度まではMPS法によるトポロジー最適化を検討してきたが,MPS法では超弾性を表現することは容易ではないことが判明したため,あらためてSPH法に基づくトポロジー最適化の開発の検討を始めた.また,電磁気問題を対象としてトポロジー最適化については,パッチアンテナや導波路などの電磁波デバイスを対象に方法の開発を行うとともに,非線形を伴う構造問題と電磁気問題の連成解析手法について基礎検討を行った. 他方,当研究室にて開発を行ってきたレベルセット法に基づくトポロジー最適化の方法についての数学的基礎理論についても,海外の著名な研究者であるフランスEcole PolytechniqueのALLAIRE教授を訪問し,意見交換を行った.これにより,トポロジー最適化手法の基礎となる設計空間の緩和法,感度導出法等の重要な課題について問題点とその解決方法を明確にすることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度より参画し,主に研究を遂行する予定であった博士課程の学生一名が,事情により所属する企業の都合により,本研究に専念できなかったため.また,構造解析を適用する予定であったMPS法に幾つかの課題があり,SPHに変更しなければならなくなったため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,昨年度の進捗の遅れを挽回するため,昨年度赴任した助教を研究分担者として含め,さらに修士課程の学生一名の参画を予定している.これにより,より効率的に研究を進めることができると考える.また,新しくSPH法による超弾性を考慮した非線形構造解析法を開発する.これが可能となれば,予定通り粒子法による構造解析法と電磁波伝搬解析法の統合化を前提としたトポロジー最適設計法を構築することができると考える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は,数値解析に必要なコンピュータと研究のプラットフォームとしている汎用解析FEMソフトCOMSOLのさらなる増強を行い,より一層研究を効率よく進める.さらに,研究成果については,国際会議・国内会議に出席して積極的に発表する予定である.これらの増強および国際会議・国内会議の出席に研究費を集中的に使用させていただく予定である.
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Research Products
(1 results)