2013 Fiscal Year Annual Research Report
非構造化メッシュ上のボロノイ格子差分による構造保存数値解法
Project/Area Number |
23656070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
降籏 大介 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (80242014)
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Keywords | 偏微分方程式 / 構造保存解法 / Voronoi 格子 / 局所保存則 / 大域保存則 / 離散変分導関数法 |
Research Abstract |
これまでの研究結果を踏まえ,前年度に引き続いて Voronoi 格子上の微積分則の数学的性質について研究を行なった.まず,初年度,二年度の研究成果と離散変分導関数法の慎重な結合を行った. これは,Voronoi格子上の離散 Gauss--Green則の数学的評価と境界補間の処理法をもとに実際に偏微分方程式に適用を試みた数値計算により,成果が肯定的に評価されることになった.ただし,空間次元が高い場合の処理の煩雑さは今後の課題であり,ソフトウェアによる自動化や,より簡潔な数学的処理方法が必要である. 次に,こうした煩雑な処理を経て構成された数値スキームは原理的に計算量が大きく実用性を下げるため,これを克服すべく,離散変分導関数法の理論的な枠組みを数学的に緩和する形で,予測子-修正子法の概念に基づいて数値スキームの弱非線形化を試みた.この試みは驚くほど成功し,数値実験において,強い非線形性を持つ問題に対して構造保存性を保ちつつ,ほぼ線形スキームの計算速度が得られた.この成果はこれからより発展が強く見込まれる大きなものである. また,微分方程式の数値計算分野における応用数学者のほぼ大半が集まる国際研究集会 SciCADE (International Conference on Scientific Computation and Differential Equations) や, 非線形波動方程式と現象の国際研究集会 NonlinearWave2013 (The Third International Conference: Nonlinear Waves), 微分方程式におけるヨーロッパ国際研究集会 Equadiff13, 同メンバーと日本人研究者に依る国際研究集会 CJS2013 などに参加,講演発表を行ない,他専門家との研究成果の交換等を行った.
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Research Products
(5 results)