2013 Fiscal Year Annual Research Report
半正値四次形式の比の和で表される関数の最適化とその幾何学
Project/Area Number |
23656074
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
藤木 淳 福岡大学, 理学部, 准教授 (10357907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤穗 昭太郎 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (40356340)
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Keywords | 4次形式 / 最適化 / 直線度 / 判別分析 / グレブナ基底 / 多項式最適化 |
Research Abstract |
平成25年度の計画は、平成24年度の研究の遅れを取り戻すために平面上の正値4次曲線の極値計算法についての研究を引き続き行なうこととし、そしてまた、2次形式の比であるレイリー商の和の最適化を実現する手続を微分幾何学を用いて明らかにする研究を行なう予定であった。そのためにグレブナ基底や多項式最適化の計算手法の本質的、もしくは幾何学的意味を理解することに重点を置いて研究を進めてきた。しかし、これら計算手法の幾何学的本質を理解するのは非常に難しく、当初の見込み以上に時間を要することとなり、現在においても鋭意研究中である。つまり、当該研究課題の一つの柱である最適化の幾何学的理解の実現にはほど遠いままである。そこで昨年度に引き続き、もう一つの研究の柱である研究手法の工学的応用についての研究を進めることにした。具体的にはまず、平成24年度に引き続き、直線度に基づく画像の歪み補正についての研究を進めた。残念ながら正値4次形式の最適化に関する進歩は得られなかったが、画像の歪みによって曲線となってしまった直線を自動的に検出する手法について共同研究を行ない、共著者によって CAIP2013 において発表された。また、2次形式の最適化の1つと考えることができる、パターン認識において広く用いられている判別分析の幾何学について検討し、その研究結果は MVA2013 において発表した。このように派生的な研究をいくつか行なうことができたものの、一番重要な正値4次形式の比の和に関する研究は、見込みと異なり相当難しいことが判明し、遅々として進まなかった。しかしながら、何が問題となるかについて朧げながら理解することができた。
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