2012 Fiscal Year Annual Research Report
岩石のメカノルミネッセンスの機序解明と地震予知への展開
Project/Area Number |
23656075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
祖山 均 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90211995)
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Keywords | 岩石 / メカノルミネッセンス / 石英 / X線回折 / 窒素 / 引張り応力 |
Research Abstract |
1. 比較的石英の含有量が多い登米産粘板岩とインド産石英を供試岩石として,雰囲気ガスを,空気,酸素,窒素,アルゴンに変えて岩石のメカノルミネッセンスを評価した。試験した4種類の雰囲気ガスでは,登米産粘板岩とインド産石英のいずれの場合も窒素の場合の発光強度が最も大きかった。また,窒素ガス雰囲気中のすべり摩擦によるメカノルミネッセンスを分光分析した結果,波長370nmにおいて発光強度のピークが認められ,これは窒素のSecond positive bandの遷移に相当することから,窒素雰囲気ガスがプラズマ化していることを示しており,岩石のメカノルミネッセンスには雰囲気ガスのプラズマ化が発光の主因の一つになっている可能性があることを明らかにした。 2. 別府産角閃石安山岩,兵庫県産玄武岩,高山産斑レイ岩,塩山産花崗閃緑岩,幌満産かんらん岩,ペルー産黄鉄鉱,インド産石英,竹野産流理構造流紋岩,白浜産砂岩,白河産溶解凝灰岩の10種類の岩石を用い,供試岩石に三点曲げにより引張り応力を付与して,メカノルミネッセンスを評価し,引張りによる破壊でもメカノルミネッセンスが生じることを明らかにした。 3. 岩石の引張り破壊での負荷荷重を計測しながらメカノルミネッセンスを評価した結果,引張り強度が大なるほど発光強度が大になることが判明した。特に,別府産角閃石安山岩,兵庫県産玄武岩,高山産斑レイ岩,塩山産花崗閃緑岩,幌満産かんらん岩,ペルー産黄鉄鉱,インド産石英,竹野産流理構造流紋岩の場合には,発光強度が,石英含有量と引張り強度の積に比例することが明らかになった。この結果より,岩石のメカノルミネッセンスには,岩石の破壊時に加わる応力が岩石中の圧電物質である石英に影響を与え,それにより発光を生じている可能性があることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)