2011 Fiscal Year Research-status Report
超高圧振動ナノ接点の粘塑性流動による金属ナノペインティング法の開拓
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23656077
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50190872)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ナノ加工 / ナノ接点 / 超高圧振動 / 金属ペイント / パターニング |
Research Abstract |
1.金属ナノペインティング法の最適条件の調査 市販のシリコンカンチレバーの探針に延性金属をスパッタ製膜し,さらに,探針上部のカンチレバー背面に集中質量としてタングステン微粒子を接着し,独自のナノペインティング用集中質量型カンチレバーを作製した.さらに,金属ペイント(探針への被覆延性金属)として金を用いた場合,シリコン基板やサファイア基板に対して探針の接触共振実験を行うことにより,当該基板表面にナノドット状の金パターンが形成することを,電界放射型電子顕微鏡の元素分析等により確認した.特に,集中質量型カンチレバーの2次モード(探針先端が基板表面に対して摺動運動する特有のモード)が金パターン形成に有効であることを見出した.また,探針の接触圧力・圧力振幅や接触時間によって,当該ナノドット状の金パターン形成の成否が決まることを明らかにした.さらに,当該パターン形成の成否と,接触共振実験における共振スペクトルの関係を調べた.なお,通常の鋭い探針を用いた場合には,しばしば実験の再現性に問題があることが明確となった.これに対し,探針先端形状が直径数100 nm程度の球状の探針を使用すれば,比較的再現性の良いペインティングが可能であることを見出した.また,シリコン探針ではなくダイヤモンド探針を用いた場合にも,良好な再現性を確認できた.2.理論的基礎の構築 弾塑性連続体力学により,探針接触部の金属ペイントに作用する圧力と探針接触力の関係を求めた.また,接触圧力振幅・振動数と金属ペイントの温度上昇の関係についても理論的な検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノドット状の金パターンをシリコン等の基板表面に,ペイントできることを確認できた.また,ペイント成功条件についても把握できた.また,理論的な検討も実施し,ある程度の基礎理論を準備した.
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Strategy for Future Research Activity |
申請書記載のとおり研究を推進する.次に示す金属ナノペンティング法の応用展開を行う予定である.(1)ナノワイヤと電極パッドの電気的接合のためのスポット接合(2)金属ナノ配線のパターニング(3)金属ナノドット配列のパターニングとナノワイヤ合成用触媒への応用
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
おおむね順調に研究を遂行したが,当初の予定よりも特に順調であったため,次年度使用額23,562円が生じた.次年度の研究予定は,応用展開である.多くの応用を示すことが本手法すなわち金属ナノペンティング法の有用性を示すことにつながる.そのため,次年度使用額を次年度研究(多くの応用を示すこと)に有効に利用する予定である.
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