2013 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみ負荷による半導体デバイスの電気特性変動についてのナノメカニクス的検討
Project/Area Number |
23656083
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 徹 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (40243894)
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Keywords | 応力 / トランジスタ / 電気特性変動 / nMOSFET / pMOSFET / シリコン / 電子移動度 / デバイスシミュレーション |
Research Abstract |
前年度までに,応力を受けるnMOSFETについて,デバイスシミュレーションによってその電流特性の変化を調べてきた.その中で, 電子の存在確立の変化,電子の散乱確立の変化,電子の有効質量の変化を電子移動度の変化に考慮することによって,一軸,多軸引張 の両方について,電流特性変化をかなり正確に表現できるようになっていた.しかし,これらの効果を考慮しても,バルクシリコンの 移動度特性はよく表されているものの,nMOSFETについては実験結果から得られる移動度変化との乖離が残った. この応力によるnMOSFETの移動度の変化についての理論値と実験値の乖離について,真性キャリア濃度の変化と電子がnMOSFETのチャネル化の非常に薄い層に偏在することによる,二次元量子化の影響について検討を行った.二次元量子化の影響を調べるために,具体的には反転層における電子相対密度変化において表面量子化の効果を考慮した. その結果,ひずみによる真性キャリア濃度変化の電気特性変動に対する寄与は比較的小さいことが分かった.また,反転層における 表面量子化を考慮した電子移動度モデルは,かえって解析結果を実験結果から乖離させた.そこで,基底サブバンドエネルギーを計算するためのパラメータを調整した結果,実験結果を定量的に再現するためには,反転層内の閉じ込め電界をより適切に与える必要があることが示唆された. このため,反転層内の閉じ込め電界を変えるなどして,解析値の合わせこみを試みたが,実験結果を精度良く表現できるような条件は見つからなかった. 今後は,pMOSFETについての実験を行い,その応力による特性変動を明らかにするとともに,その変動特性を表すモデルを示すことが重要である。
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Research Products
(9 results)