2012 Fiscal Year Annual Research Report
フルフィールド温度場非接触計測と数理解析援用逆解析による領域内異常部位検出手法
Project/Area Number |
23656086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 司郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20107139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 隆英 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50192589)
井岡 誠司 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (50283726)
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Keywords | 非破壊評価 / 構造健全性 / 逆解析 / フルフィールド計測 / 異常部位検出 / 温度場計測 |
Research Abstract |
人体や機器・構造物およびその要素の状態を把握し,その健全性を把握することは,我々の健康維持,寿命延伸,危機構造物の寿命延伸の上で非常に重要である.健全性の確保および状態把握において,人体や構造物の異常部は,材料特性の変化部として検出できることが多い.しかし,境界上の観測結果から材料特性の分布を推定する問題には,逆問題特有の強い不適切性が内在しており,その解析は容易ではない. そこで本研究では,2次元領域内に熱負荷を与えた時の非定常温度場を赤外線サーモグラフィにより非接触で全面(フルフィールド)計測し,数理構造解析結果を利用して新たに構築した逆問題解析手法を適用し,熱容量と熱伝導度等の材料定数分布を推定することにより,領域内異常部位を検出する手法を確立することを目的とした. 定常状態の温度分布から温度の空間勾配を用い,領域に存在する熱伝導率分布を推定する手法を提案した.推定においては,流束が近似的に一定であるとの仮定の下,温度の勾配を用いる手法を提案した.この手法の有効性を確かめるため,数値シミュレーションを実施した.熱伝導率分布としては,連続的に変化するもののほか,急変するものも用いた.その結果,熱伝導率分布の近い形を推定することができたが,熱伝導率分布が急変する位置においては,推定結果の精度の差であることがわかった.そこで,温度分布から得られた流線を使用して,流線の間の幅の比によって熱伝導率分布の推定値に補正を行う手法を提案した. 流線幅を用いた補正により,推定値の精度を向上させることができることが明らかとなった
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